1180915 ソウナンですか?©岡本健太郎・さがら梨々/講談社

©岡本健太郎・さがら梨々/講談社

経営理論から筋トレまで、とっつきにくそうな分野を女子高生のキャラクターに体験させることで分かりやすく伝える――近年、そんな流れが日本の漫画・小説界では目立ってきている。今回は女子高生がハードなサバイバルに挑む話題作『ソウナンですか?』(原作:岡本健太郎 作画:さがら梨々/講談社)を紹介したい。

 

主人公は4人の女子高生。飛行機事故から生き残って無人島へ流れ着いたものの、なぜか救助隊が来る気配がない。いちおう体は元気だが携帯電話をはじめ荷物すべてを失っており、飲み水の確保すら難しい。そんな絶望的な状況下でのサバイバル生活がスタートする。

 

幸い、フィクションならではの救済措置として、4人のうち1人(鬼島ほまれ)が元軍人の父からあらゆる知識と技術を叩き込まれた“サバイバルの達人”と設定されている。彼女が他の3人、そして読者にとって教官役となり、過酷な環境を乗り越える方法を教えてくれるのだ。ほまれの生存術は、特殊部隊やハンターが採用している超実践的なものばかり。「栄養豊富な虫を食べる」「出たばかりの尿は無菌に近いから飲んで水分補給できる」「ペットボトルをレンズ代わりにして日光で火起こし」など、極限状態でこそ生きるスキルが満載である。

 

このように殺伐としたテーマだが、お嬢様タイプから優等生タイプまで全キャラが美少女揃いで、笑いあり、サービスシーンありのストーリーは読んでいて飽きがこない。治安こそ世界トップレベルに良いものの、豪雨や地震など自然災害の多い日本。いきなり特殊部隊のマニュアル本を書店で揃えるのはハードルが高いが、まず本作のようにライト寄りな漫画からサバイバル術を学ぶのも良いのではなかろうか。

 

(担当ライター:浜田六郎)

 

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