電子書籍読み放題サービス「ビューン読み放題タブレット」で配信中の作品から、『たのしいわがや』のコミックレビューをお送りします。
無料の立ち読みページもありますので、ぜひチェックを!
双葉の夫である両太の職業はヒーローショーを演じる役者! それは子どもたちに夢を与える素敵な仕事。けれど現実の彼はヒーローには程遠く、稼ぎは今ひとつ。おかげで双葉はキャリアウーマンにならざるを得ないのでした。4歳になる息子は、ヒーローのパパの味方。双葉はいい加減な両太に愛想を尽かして夜遊びに走るのですが……?
そんな感じの表題作『たのしいわがや』は、勢いで結婚した夫婦の織り成す物語。よく考えれば、両太はいつも双葉を助けてくれたヒーローだったと気付くまでのいきさつは、なかなか素直になれない双葉を自己嫌悪に陥らせることも。けれどやっぱり夫はヒーローなのです!
同時収録の『あの空はきみのもの』は、14年前に離婚した父親のもとへ急にやってきて、理不尽なふるまいをする娘との難しい関係のお話。娘と父親の愛情のすれ違いにやきもきさせられます。
さらに『晴れたらきみの空』は、夢を追う少年と家庭を支える女性のすれ違いを描き、男女差や年齢の差でなかなか素直になれない立場や、自分の今やるべきことを問われる作品。
『セカンドリング』では、仕事関係で偶然元夫と出会ってしまったキャリアウーマンが主人公。結婚していた頃は甲斐性がなく、いつも貧乏でイライラしていた妻。5年経った今でも、会えば何かしらの感情が生まれます。お互いに夢を叶えた元夫婦がどうまとまるのか、読む手が止まりません。
このように、4つの短編が収録された『たのしいわがや』は、女性が頑張っていて男性が不甲斐ないというパターンを踏んでいます。そして女性は「どうして私ばっかり」とイライラを募らせるのです。わかりますよね。失業しても笑っている夫を見れば、「反省しろ!」と文句のひとつでも言いたいでしょう。
軽い恋愛ではなく、生活を共にする結婚だからこそ、女性が男性に求めるものも変わってきます。かつては優しさだけで満足だったのに、一緒に暮らすとなればお金の問題は避けて通れないところ。この短編集は、根底に一貫したテーマがあるように感じます。
愛だけじゃ生きていけないリアルと、愛が欲しいリアルの混在。それでもハッピーにつながるのは、そこに愛があるからでしょう。もちろんお金も必要ですけど、ね。
・作 者:生田悠理
・出 版 社:オフィス漫
・刊行状況:全1巻
『たのしいわがや』も配信中!
美容室向け電子書籍読み放題サービス「ビューン読み放題タブレット」
サービス詳細・お問い合わせはこちらまで!