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【コミックレビュー】ミステリー・ホラー『記憶の森』でハラハラ!

記憶の森

女性の疑い深さや情念は、まれに度を越すことがあります。男性はあまり言葉ではっきりと気持ちを伝えられないことも多いので、余計に女性の情緒面が際立ってくるのでしょう。
そのせいで夫婦やカップルの間ですれ違いが起こってしまいます。男女の猜疑心や不安、不満がタブーを呼び込んでしまうのかも知れません。

そんな流れで紹介する本作『記憶の森』は6つの短編で構成されたミステリー・ホラーです。
まず冒頭に持ってこられた『唄う女』から。これは非常にインパクトがあります。

主人公は誰よりも何よりも唄うことが好きなオペラ歌手。留学に反対する父親を裏切って死なせてまで自分の夢を叶えるという、ある意味恐ろしい女性です。
普通そこまで執着するか……?というレベルで歌に入れ込んでいる様子は、じわじわと恐怖心を染み込ませます。

続いて表題作の『記憶の森』は、何故か愛する人と一緒にいると呼吸が苦しくなるという、マリッジブルーを疑う女性の物語。徐々に幼い頃の記憶がよみがえるようになり、呼吸困難の理由を知ります。
そこには幼い頃の忘れていた記憶がありました……!

このように本作は、愛し合っているはずなのに、どこかでわずかに歯車が狂っていき、行き違いが起こってしまうエピソードの集まりです。
個人的には特に『夢の淵』が女性の恐ろしさを深く表現しているようで、怖いながらも読み進めずにはいられない作品だと思いました。

男性が読んだら震えるのではという部分もありますが、女性ならどこか共感するところも多いでしょう。女の怖さが出たシーンでさえ、自分がその「怖い女」に属すると気づけば、決して他人事とは思えないはず。

全体的にミステリー・ホラー仕立てでありながら、どこか胸を突かれるような苦味もあります。恐ろしい部分だけでなく、女性特有の弱さがきちんと描かれているからかも知れません。
たくさん読者を怖がらせながらラストでは前向きに進んでいく展開が多く、読後感は悪くありません。

背中がぞわぞわする話、共感して頷いてしまう話、「私はこんなんじゃない」と否定したくなる話……6つの物語は読者を引き込みます。
さぁ、あなたはどの短編が気に入るでしょうか?

『記憶の森』作品データ

・作者:川崎ひろこ
・出版社:ビーグリー
・刊行状況:全1巻

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