こんにちは、春うららかな書房の渡辺です。
最近はあまり観られていないのですが、ある時期毎日のように映画を観ていて、その中でもとりわけ好きだったジャンルがホラー映画。
ド派手な演出で、瞬発的に怖がらせるホラーよりも、不気味で静かに、しかし確実に狂気と崩壊にまみれていく作品が好きでした(ミザリーとかシャイニングとか)。
今回ご紹介する『CUBE』は、僕が20歳くらいの時にたまたまレンタルビデオ屋で借りた作品で、劇中に漂う“静”と“狂気”の空気はまさに僕が好きな作品そのものでした。
なんの前情報もなく見始めたのですが、冒頭のシーンを観て「これはただのホラー映画じゃない・・」と手が汗ばんだのを覚えています。
他にない斬新な設定が観る者を不安にさせた『CUBE』
正体不明の巨大な立方体の空間で目覚めた男が、状況を飲み込めぬまま隣の部屋に移動すると、突然、ワイヤーナイフによってサイコロ状に切り刻まれてしまうという衝撃的なシーンで映画は始まります。
そして、その立方体の部屋に残された6人の男女。
年齢も職業も性格もバラバラ。
この謎の立方体から脱出するには、隣接する部屋を移動しながら、罠を回避しつつ、出口を探すしかない・・。
この、正体不明な巨大な立方体に訳も分からず閉じ込められるという謎のシチュエーション、誰がこんなことをしたのか、目的は何なのか、そもそも目的はあるのかなど、あらゆることが不明瞭なため、得も言われぬ恐怖が作品全体を漂っています。
結局のところ、目視できるような物理的な恐怖よりも、なんだかよくわからない、目に見えず実体のない“何か”にこそ恐ろしさはあるように思います。
最も恐ろしいのは、極限まで追い込まれた人間の本性
しかし、この映画の本質的な怖さは、そこだけではありません。
どちらかというと、人間への不信感、とりわけ今まで理性的だった人間の化けの皮がはがれ、本性が暴かれていく様にあると思います。
前述したように登場人物には、
警察官、医者、大学生、脱獄者、会社員、精神病を患った青年など様々な特性もった人が出てきます。
職業も性格も違うこの人物たちが、物語が進むにつれ、あらゆる障害に阻まれ、極限の状態にまで追い込まれることによって、根底に眠っていた本性が顔を出し、互いにぶつかり合うようになっていきます。
このあたりの魅せ方が本当にうまく、手に汗握ります。
信用していた人が、むごい言葉を浴びせたり、とんでもない非人道的な行為に走ったりするようになり、下手に感情移入していると観ている側の精神まで削られることになります・・。
芸術の秋にホラー映画を
『CUBE』は本当に面白い映画です。
もちろんホラーとしても楽しめますが、パニック映画のようなハラハラ感もあり、そういうタイプの映画が好きな人にもおすすめです。
ただそれなりに残虐なシーンもあるので、それが苦手な人はやめたほうがいいかも・・。
ホラーといえば夏ですが、空気がヒンヤリ澄んできた秋のこの時期に観るホラー映画もなかなかいいものです。
怖いのが得意な方は肌寒い部屋で、夜に明かりを消して観るのもありです(ぼくはやってました)。
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