美容師さんは1日立ちっぱなしで仕事をするので、足腰を痛めてしまうという声をよく聞きます。痛みを放っておいたり我慢し続けていると、ますます悪化して治療をしなければならないこともあります。
そうなる前に今回は、自分で簡単にできて1日数分と無理なく毎日続けられるストレッチをご紹介します。少しでも、最近ちょっと足腰が痛いかもと気になる人は、ぜひ最後までご覧ください。
立ち仕事はやっぱり辛い

どんなに好きでやっている美容師の仕事でも、朝から夜遅くまで立ちっぱなしで動き続けると、誰でも足腰にきてしまいます。かなりの体力勝負でもあります。
特に女性は、足のむくみや腰痛で悩む場合が多く、夕方頃になると疲れとともに痛みを感じ始めるようです。疲れない服装や靴を選ぶのも大事なポイントです。
アシスタント時代は、仕事に慣れることやスタイリスト昇格の勉強で精一杯なので、自分の身体の変化に気がついたり労わることに手が回らないかもしれませんが、それでもこれからもずっと美容師として働きたいと考えているなら、ちゃんと自分の体をケアしてあげることが大切です。立ちっぱなしがしんどくて体を壊してしまう人もいます。自分のペースがありますので、とにかく無理をせずにうまく体と向き合っていきましょう。

腰痛が起こる原因とは

立ち仕事で腰痛を引き起こす原因の1つが「立っているときの姿勢」。
長時間立っていると、つい体の重心をどちらかの脚に傾けてしまうことはありませんか。この体勢を続けていると、骨盤が歪み始めて骨がぶつかったり、筋肉の使い方に偏りが生じて腰痛につながります。
2つ目は、筋肉の疲労です。
長い時間立ちっぱなしでいると、背中やお腹、お尻の筋肉に乳酸がたまっていきます。そして、筋肉の疲労によって血行が悪化してしまい、老廃物の流れが悪くなるために痛みや疲労感が残ってしまうのです。
だけど、仕事なんだからどうすればいいの?
と思ったあなたに、簡単にできるストレッチをご紹介します。

今日からできる簡単ストレッチ
きつい立ち仕事を頑張る美容師さんにオススメの簡単ストレッチをご紹介します。
椅子を使った骨盤ストレッチ

- 椅子に座って、骨盤を前後に動かすイメージで、背中を反らす→丸めるをゆっくり繰り返す。1回15秒くらいかけて行うのが目安。
- 10回ほど繰り返し行う。
このストレッチを休憩時間や自宅に帰ってからでも毎日行うことで、腰回りの筋肉の緊張がほぐれて血行を促進します。
肩甲骨ストレッチ

- ストレッチポールかバスタオルを丸めたものを用意する。
- 背骨に沿うようにポールか丸めたバスタオルの上に仰向けになる。
- 両腕を広げて1分ほどキープ。
- 左右にコロコロしたりして、自分が気持ちいいポイントをほぐしていく。
腰の痛みは肩や背中などの筋肉のこりが原因の場合もあるので、肩甲骨ストレッチで肩と一緒に腰の痛みの改善も期待できます。
チャイルドポーズ

- ヨガマットや床・ベッドの上で正座をして少しずつ前に体を倒していく。
- 腕はまっすぐ前方に伸ばし、床におでこをくっつけた状態で体の力を抜く。
- 深く大きな呼吸を忘れずに、②の体勢を10~15秒ほどキープ。
- ゆっくり正座の体勢に戻る。
ゆったりと腰の緊張を緩和できます。ヨガのポーズとしてよく取り入れられています。
体が硬くて頭が床につかない人は、クッションやタオルを丸めたものなどを置いて、そこにおでこをつけるようにしても構いません。
とにかく、リラックスして呼吸を忘れないことがポイントです。
足がむくむってどういうこと?

むくみの原因とされるのは、同じ体勢で長時間過ごすことによって脚の血液やリンパ液などの循環が悪くなり、細胞のすき間に水分が停滞してしまうから。ふくらはぎの筋肉に血液を心臓に戻すポンプの役割があります。立ち仕事など同じ姿勢の状態でいるとふくらはぎをあまり動かさないので、ポンプ機能がうまく働かなくなってしまうんです。
大抵の足のむくみは、一晩寝れば治ります。ですが、数日経っても治らない場合は、何か病気が潜んでいる可能性もありますので、医療機関の受診をお勧めします。

足のむくみを一撃できる3つのツボ
足のむくみや疲れに効く3つのツボをご紹介します。ツボ押しは数分でできることなので、手間ひまをかけずに疲れをとることができます。
① 豊隆(ほうりゅう)ツボ

豊隆は、両足のふくらはぎにあるツボです。ここを刺激することで、余分な水分を排出してくれます。親指をツボに当てて、ゆっくり垂直に押すのがポイントです。
- スネの骨の外側にある。
- ひざと足首の中間あたりで、外側の筋肉が一番盛り上がっているところ。
② 足三里(あしさんり)ツボ

足三里のツボを押すことで、内臓の動きを活発にして、体内の老廃物の排出を促し、疲れを和らげる効果があります。ツボ押しは、ちょっと痛気持ちいいくらいがちょうどいいですよ。
- むこうずねの外側を下から上にさすっていくと、骨に当たって止まる場所がある。そこから小指側に指1本分くらい外側にあるくぼみ。
③ 陽陵泉(ようりょうせん)ツボ

陽陵泉は、スポーツの後や足の疲れに効くツボです。足の筋肉がひきつっているときにも効果的と言われています。適度に刺激することで、症状をしっかりと改善することができます。
- ひざの外側の少し下に飛び出した骨がある。その骨の少し下のくぼんでいるところ。
足のむくみがとれるストレッチ
足がむくんでパンパンになった1日の終わりにぜひ実践してほしい、簡単にできるストレッチを3つご紹介していきます。
むくみ解消だけでなく、美脚効果も期待できますので要チェックです!
脚のコリをほぐす

- 片足をもう片方の足に乗せて、土踏まずのコリをぐりぐりとほぐす。
- 足首から膝の付け根に向かって揉みほぐしながら、リンパを流していく。
- 膝の付け根の裏側にあるリンパ節を揉みほぐす。
足先から膝まで徐々に上に向かってほぐしていくストレッチです。お風呂上がりにボディークリームをつけて行うと良いでしょう。
特に足首や膝の付け根のリンパ節は老廃物が溜まりやすく、日頃から立ち仕事をしている人はなおさら毎日のストレッチで老廃物を排出してあげる必要があるのです。
リンパを流すときは、強くやりすぎずに優しく手を滑らせて、気持ちいいなと感じる強さで行いましょう。
足上げ

- ベッドやマットに横になり、両足を壁に立てかけて、そのまま10~20分キープ。
たったこれだけなのでとっても簡単ですよね。
テレビを見ながら、スマホをいじりながらストレッチができちゃいます。
ポイントは、足が斜めではなく壁と垂直にまっすぐ伸ばすことです。
血行やリンパの流れが促進される効果が期待できます。
脚パカストレッチ

- ベッドやマットに横になり、両足を壁に立てかける。
- ゆっくり両足を左右に開脚して3秒キープ。
- ゆっくり足を閉じて、開脚する動きを20〜30回繰り返す。
体はリラックスした状態ですが、内ももやお腹はしっかり腹筋を使って力を入れましょう。
開脚するときは無理せず開けるところまででOKです。
ゆっくり開いて閉じての動作を行えるようにしましょう。
夜にしっかりと体をケアしてあげることで、翌日に痛みなどを残さずすっきりとした気分でまた1日を過ごすことができるようになります。
面倒くさがらずに、毎日継続して行えるように意識して取り組んでみましょう。
まとめ
今回は、立ち仕事を頑張る美容師さんに最も多いお悩みである足腰の痛みを改善する簡単なストレッチをご紹介しました。ぜひ休憩時間や1日の終わりの数分に、ストレッチの時間を取り入れてみてください。
1日の始めに、みんなでストレッチをし合ってからお客様をお迎えするのもいいかもしれませんね。一緒にやれば健康も維持できて、1人で足腰の不調に悩む心配も減るかもしれません。



