皆さんは美容室の顔ともいえる「エントランス」について考えたことはあるでしょうか? エントランスはちょっとした工夫をするだけで、お客様への印象を格段に良いものにして、売り上げアップにつながることがありますので、この機会に見直してみるのもおすすめです。今回は、意外と見落としがちなエントランスの作り方のコツとポイントについて詳しく解説していきます。
印象の良いエントランスとは
清潔感
何より1番大切なのが清潔感です。エントランスはお店の第一印象なので、そこが汚れていると掃除が行き届いていないというイメージを持たれてしまうかもしれません。特にドアがガラス張りの場合などは汚れたらすぐふき取るようにしましょう。待合室に置いてある本などもきちんと揃えて清潔感を見せることが重要です。
すっきりとした印象
お店のコンセプトにもよりますが、エントランスにたくさん物を飾ったり、インテリアの色を何色も使ったりすると、ごちゃごちゃした印象になってしまうかもしれません。配色は2~3色くらいに抑えるとすっきりした印象になりますよ。余計なものを取り除いていくことで生活感がなくなり、美容室という空間の特別感を演出できます。
居心地の良い待合室
待合室は忙しい時期などはお客様が長く滞在する場合もあるため、居心地よく過ごしてもらうことを考えなければいけません。できるだけ広いスペースを確保して、座り心地の良いソファーや、飽きずに待てるように雑誌やヘアカタログも新しいものを揃えておくようにしましょう。
NGの張り紙
お店に喫煙禁止や撮影禁止などNG事項の張り紙を見かけることがありますが、「禁止」という言葉を使うことは控えましょう。特に初めて利用するお客様は、「禁止」という強いワードに自分の行動を制限され監視されている気分になります。美容室を訪れるお客様は、ポジティブな気持ちになりたくて来ているので、それを打ち消す「禁止」というネガティブな言葉は避けた方がいいでしょう。
「喫煙はご遠慮いただいております」「撮影はお控えください」などの柔らかい言い回しで伝えることで、同じ意味でもお客様が受け取る印象が違ってきますよ。
さりげない宣伝
エントランスにおすすめの商品やメニューを張り紙やPOPにして宣伝するのはいいのですが、あまりに多いと商売のニオイがして押し付けられている感じが伝わってしまい、購買意欲だけでなくお店の印象も悪くなる可能性があります。おすすめのメニューは1つだけに絞りさりげなくお知らせすると、押し付けられている印象もなくお客様に認知してもらうことができます。
ディスプレイを工夫しよう
ディスプレイを工夫するだけで売り上げアップ
エントランスにディスプレイは置いてありますか? 店内販売の商品を魅力的に飾ることで、商品の売り上げにもつなげられるのです。美容師は無理な商品売り込みをすることなく仕事に集中できますし、お客様も商品を売り込まれていると不快な気分にならずに、気持ちよく通ってもらうことができます。ストレスが減って売り上げがアップするというメリットになる部分が多いので、ぜひ取り入れてみてください。
ディスプレイ作りの注意点
ダウンライトなどの見せる照明を使おう
ディスプレイにスポットを当てた照明を置くだけで、高級感をもった雰囲気にグッと変わります。商品の魅力や注目度が高まって購買意欲へとつながります。
ゴールデンゾーンを意識した陳列方法
お客様の視線を考えた陳列をしましょう。お客様にとって一番目に付きやすい、手に取りやすい場所を「ゴールデンゾーン」といい、そこに主力商品や重点商品を配置することが重要になるのです。ゴールデンゾーンは女性で床上およそ60~150cm、男性では床上70~160cmとなっています。
美容室の場合は椅子やソファーに着座している状態が多いので、そこから見える範囲でお客様が手を伸ばして届く位置に置くのが理想的です。よくお客様が届かないレジ裏などに設置しているお店もありますが、美容室の場合、小売店などとは販売方法が違います。まずはお客様が気軽に手に取れるようにして興味を持ってもらうことが重要です。
POPを置く
POPの最大のメリットは、美容師が売り込まなくても商品の魅力や効果を知ってもらえることです。美容室の場合、POPを作る時には3つのことを意識して書くようにしましょう。
- 誰に使ってほしいのか(こんなことで悩んでいませんか? など)
- 商品の効果(お悩みが解消しますよという説明)
- 商品に興味がある場合(お気軽にスタッフにおたずねくださいなど)
可愛いイラストやカラフルな色を使えば見ているだけで楽しいPOPが出来ますよ。POPを設置して商品売り上げが格段にアップした実例もあるので、いろいろ工夫しながら試してみるのがおすすめです。
観葉植物を置いてみよう
エントランス内に1つ観葉植物を置いてみてはいかがでしょうか。植物にはリラックス効果があり、テーブルの上に小さな花があるだけでも癒されますよね。観葉植物を置くことでオシャレで居心地の良い空間を演出できますし、エントランスの格上げにもつながります。
店舗の広さによっては、大きい観葉植物を置くスペースがない場合でも、レジカウンターなどに小さい植物を置くだけでも印象が変わります。観葉植物を選ぶ時には、なるべくお手入れが楽な植物を選ぶと手間がかからず良いですよ。
美容室におすすめの観葉植物
サンスベリア
初心者にも育てやすいサンスベリアは多肉質な葉っぱで乾燥に強い植物です。マイナスイオンを発生することで注目されたこともあり、エントランスにぴったりの観葉植物でしょう。ミニサイズから中型の鉢までサイズが選べますよ。
モンステラ
どこか南国のイメージがただよう、円い形に切り込みが入った葉っぱが特徴のモンステラは、日陰でも育てられるので場所を選ばず置くことができます。サイズもミニサイズから大鉢まで選ぶことができますよ。
パキラ
緑の葉っぱが印象的なパキラはミニサイズから20mを超えるまでに成長しますが、大きくしたくない場合は鉢のサイズを変えなければいいので心配ありません。
まとめ
美容室の印象はお店の外観から始まり、ドアを開けた瞬間の第一印象で「いいかも」と思ってもらえるかによって大きく左右されます。エントランスの充実度によって今後の客足や売り上げにもかかわってくる可能性があるので、お客様目線になって工夫をかさねることをおすすめします。居心地のいい素敵なお店になるようにいろいろ試してみてください。