美容室でのニオイトラブルは薬品だけでなく、タオルやエアコン、シャンプー台から……とさまざまな原因があります。臭いが気になるとお客様はリラックスできませんし「もう来たくない」と思ってしまうかもしれないため、決して軽視できない問題なのです。そこで今回は、美容室の悪臭の原因や臭気対策について解説していきます。
美容室で考えられる臭気とは?
美容室で気になる臭いはどこが原因なのでしょうか? 主に考えられる原因として、エアコンのカビの臭い、タオルの生乾き、シャンプー台の排水口からくるものがあります。早めに対策しないと多額な費用がかかるものがあるため、定期的にメンテナンスをしっかり行うようにしましょう。
エアコンが原因による臭気
美容室が使用しているエアコンは、ほぼ一年中フル稼働していることが多いのではないでしょうか。エアコンの中でカビが発生したり、美容室で使われているヘアスプレーやトリートメント剤、ヘアカラー剤などがミスト状になってエアコンが吸い込んでしまうために、悪臭を発したりするケースがあります。また人の出入りも激しいため、一般家庭とくらべるとホコリやカビも非常につきやすいので定期的にクリーニングすることが必要です。
エアコンの臭い対策
エアコンは天井埋め込みの業務用の場合、業者にクリーニングしてもらうのをおすすめします。クリーニングをしないで放っておくと臭いが気になるだけでなく、エアコンの効き目が落ちたり、稼働効率の悪化で電気代が増えてしまったりすることもあります。美容院のエアコンは、内部に汚れを溜めないためにも、できれば年2回ほどクリーニングするとニオイなどのトラブルに悩まされないですよ。
エアコンクリーニングは地域や業者によって値段が変わります。忙しい時期はすぐに来てくれないこともあるので、早めに日程を組んだ方がいいでしょう。ちなみに作業時間は業務用の場合、エアコンのタイプ、汚れのひどさ、設置台数などによって変わるため一概には言えませんが、クリーニングに2~3時間(1台あたり)ほどかかります。
タオルからの臭い
美容室でよく使うものといえばタオルですが、そのタオルが臭いとお客様を不快な気持ちにさせてしまうことがあるので注意が必要です。タオルを臭わせないようにするためには、洗濯の仕方と干し方にコツがあります。スタッフやアシスタントはタオルの洗濯方法、干し方についてきちんと知識を持っておきましょう。
タオルから悪臭がしてしまう原因は、皮脂やタンパク質の汚れが洗濯時に分解されていないこと、洗濯槽のカビによるもの、タオルを干すときに雑菌が増殖してしまう、などが考えられます。美容室はタオルを使う頻度が高いので、お客様に快適に過ごしてもらうためにも、悪臭対策することは必須といえるでしょう。
洗濯時の対策
漂白剤を使用する
白いタオルには塩素系漂白剤を使用し、色があるタオルには酸素系漂白剤を使用することでニオイ対策ができます。白いタオルは漂白剤の効果が強い塩素系漂白剤でしっかりと雑菌を落とし、色物は酸素系漂白剤の活性酸素によって雑菌をしっかりと消毒する効果が得られ、臭いがなくなるほかにシミや汚れを消すことができます。
熱湯消毒
熱湯で煮沸することで雑菌を死滅させる方法ですが、一度にたくさんのタオルを消毒すると手間がかかるため少量の場合に有効です。高温殺菌できる乾燥機を使って熱処理をする方法もあります。
洗剤を変える
少しコストがかかりますが除菌や殺菌効果の高い洗剤に変えると、しっかり臭いを取ってくれます。臭いが取れるだけでなく、仕上がりもふわふわでいい匂いになるので非常に楽になりますよ。1日にどれくらい洗剤を使うかでコストが変わってくるので、予算面と相談する必要があります。
洗濯機に詰め過ぎない
忙しい時や早く帰りたい時にやりがちなことといえば、タオルの詰め込みです。洗濯機いっぱいにタオルを入れると洗浄力が落ちてしまいますので、多くても洗濯機の8分目くらいまでの量にしましょう。
洗剤を多く入れない
臭いが気になるからと洗剤を多く入れるのは逆効果です。洗剤の量を変えたからといって臭いが取れるわけではありません。それどころか余分な洗剤がタオルに残ることで、雑菌が繁殖して臭いが発生してしまったり、お客様に使用したさいに肌トラブルを引き起こしたりする可能性もあります。洗剤はメーカーが記載している分量を必ず守り、多く入れないようにしてください。
干し方の対策
重ねて干さない
おすすめは「蛇腹(じゃばら)干し」という干し方で、タオルをジグザグにおってピンチで留めていくやり方です。他にもU字型に干す方法やコの字型に干す方法があり、すべてに共通するポイントは、タオルの生地を重ねないようにすることです。
除湿器などで乾かす
自然乾燥だと乾くのに時間がかかるので、除湿器やサーキュレーターを組み合わせて使うと時間短縮になります。乾燥機を置くスペースがあれば、検討してみるのもいいでしょう。
洗ったらすぐ干す
洗濯したら放置せずにすぐに干すようにしないと、雑菌を繁殖させる原因になってしまいます。それ以外にもシワになったり、カビが繁殖してしまったり、生地を傷めてしまったりするので、遅くても夏場は1時間、冬は2時間以内に干すようにしましょう。
シャンプー台の排水口から臭う
毎日多くのお客様の髪を洗うため、シャンプー台の排水口に流れた髪の毛が詰まって悪臭を引き起こす場合があります。放っておくと排水口が完全に詰まって、あふれてしまうというトラブルに発展する恐れもあるので早めに対処しましょう。
対策
排水口に詰まった髪の毛は、排水口用の薬品を使うか業者に頼むことで改善できます。もし市販の薬品であまり効果が感じられないなら、その場合は業者に頼んだ方が確実でしょう。水道トラブル専門の業者が多くあり、連絡すれば対応してくれますので、臭いがする前に定期的な排水口の掃除を心がけましょう。費用はかかりますが、高圧洗浄をすると排水口の汚れが取り除かれるのですっきりとしますよ。
まとめ
美容室にとって臭気対策は経営していく上で欠かせないものなので、日頃から対策と改善をおこなうことが必要です。費用や手間を惜しんで無理に芳香剤などで紛らわせると、余計に嫌なニオイになったり、お客様の気分を害してそこにいるのも苦痛に感じさせてしまったりします。長く滞在することが多い美容室ですので、お客様に快適に過ごしてもらえるように、悪臭の原因となるものは取り除くようにしましょう。