美容室でのマッサージが本当に必要なのか疑問を抱いていたり、顧客にとって有益なサービスになるのか納得できないままマッサージを施術している美容師は、中にはいるのではないでしょうか。
結論からいうと、美容室でのマッサージは顧客に有益なうえ、売上に繋がるサービスです。
この記事では、美容室がマッサージを施術すべき理由を説明したうえで、サービスに取り入れると効果的なおすすめのマッサージを紹介します。
美容室がマッサージを行う理由
ここでは、美容室がマッサージを行うことで期待できる3つの効果を説明します。
マッサージでリピート率アップが期待できる
マッサージの導入で期待できる効果は、リピーターの獲得です。
例えば、頭皮に物理的な刺激を与えるヘッドスパには、頭皮のマッサージによる血行促進や頭皮のリフレッシュ、毛穴汚れの除去など、頭と顔の疲労回復やヘアケア効果が期待できます。ヘッドスパ専門店もあるほどの人気のマッサージですから、美容室で髪のみならずマッサージも受けられると、リピーター率アップが見込めます。
ちなみに2018年末に厚生労働省が公表した「平成30年度衛生行政報告例」 では、全国にある美容室は25万軒以上で、年々増加傾向にあることを示しています。しかし、同年に第30回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会が公表した、「2 美容業の営業(1)1 日の平均来店客数」 によると、1店舗あたりの1日平均来客数は、平日休日ともに0~4人がもっとも高い割合です。
店舗数の割に平均来客数が少ない点をふまえると、他店との差別化が急務です。リピート率を上げる手段の一つとして、顧客満足度の高いマッサージサービスの導入がおすすめです。
マッサージで顧客満足度アップが期待できる
一般的に美容室のマッサージは、顧客にとって損にならない無料サービスです。顧客のリフレッシュに繋がる無料サービスは、顧客から価値あるサービスとして認識され顧客満足度アップが期待できます。
美容室には、マッサージについて以下のような「WANT」が求められています。
【マッサージへの要望】
- 施術やカラーの待ち時間にマッサージを受けたい
- 肩もみ、指圧、鍼灸を受けたい
- プロのマッサージ師の常駐など本格的なマッサージもあればいい
- アロママッサージもあればいい
- シャンプー後のマッサージを長くしてほしい
- マッサージのコースも自分で選びたい
反対に、マッサージをされることに「くすぐったいので苦手」「資格のない人にやってほしくない」といった抵抗の声もあるため、マッサージを行う前に確認のひと声をかけることも顧客への配慮になります。
マッサージで顧客単価アップが期待できる
マッサージをほかのメニューに含めるなど、追加サービスとして展開することで顧客単価アップが見込めます。
厚生労働省の「第30回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」が発表した統計データ「美容業の実態と経営改善の方策(抄)」 の「(1)提供している顧客サービスの内容」によると、「飲み物やマッサージのサービスを行っている」と回答した美容室は全体の63.4%です。飲み物提供と混合のため一概に判断できませんが、すべての美容室でマッサージサービスを行っているわけではありません。また、同じ美容室でもマッサージをしたりしなかったりと、サービスを統一していない店舗もあります。予約や指名をしてくれた顧客にマッサージを、ヘアカラーやパーマをする顧客には待ち時間にマッサージを施術するなど、基準に統一性を持たせることで、オプションサービスのオーダーにも繋がります。
美容室がサービスに取り入れたいマッサージ3選 やり方動画つき
ここからは具体的な例として、美容室が取り入れたいマッサージ3選を動画つきで紹介します。
「ハンドマッサージ」お手軽なのにリフレッシュ効果大
ハンドマッサージは、手軽でありながらリフレッシュ効果が大きく、また顧客を退屈させず満足度をアップさせる効果も期待できます。
ヘアカラーやパーマの待ち時間などに、雑誌を渡す美容室も少なくありません。顧客はこの対応について、サービスを受けているというより、単に暇つぶしをさせられていると感じるケースもあります。頭には触れられない時間も顧客に配慮している姿勢を示すには、簡単にできる割に顧客満足度の高いハンドマッサージがおすすめです。
ツボの多い手のマッサージで、顧客に癒やしの時間を提供しましょう。具体的なやり方は動画で確認を。
【ハンドマッサージのやり方】
- クリームを手に馴染ませ手を温める
- 手の甲をさする
- 指先側から指の側面をさする。戻るときは上下をさする
- 上記を3回繰り返し最後に指先を圧迫する
- 指先側から指の上下をらせん状に揉み、側面を挟んで戻す
- 上記を3回繰り返し最後に爪の根元を圧迫する
- 手の甲の骨の間をさする
- 手の平をさする
- 手全体のストレッチをする
「フットマッサージ」客単価アップにおすすめ
客単価アップには、フットマッサージのオプションサービスがおすすめです。美容室で髪を整えるついでに、フットマッサージも受けられる点で他店との差別化を図れるからです。
美容室は通えるものの、マッサージに行く時間が取れない層の顧客へのアピールになるでしょう。
例えば、外回りの営業で歩くことが多いOL、子育て中で子供を抱っこする機会が多い主婦、学校のほかアルバイトにも忙しい女子大生など、癒やしの時間が取れずに疲れている女性に需要があります。
需要とサービスがマッチすれば、他店との差別化のみならず顧客によろこばれるうえ、客単価アップも可能、手と同様に足裏にも多くのツボがあるため、顧客の疲れを癒すには効果的です。
フットマッサージの具体的なやり方は、動画で確認を。
【フットマッサージのやり方】
- かかとを掴みしっかり足裏を伸ばす
- 足の表側をしっかり伸ばす
- 足を掴み上下に動かし、足首を回すことで歪みを取る
- 指を回し根元を圧迫、引っ張って下へ押しつける
- オイルを足に馴染ませる
- 足裏マッサージ、指、足の表、くるぶし、すねの順にリンパを流していく
- ふくらはぎを揉み、叩く
- 最後に両手で足先側から膝に向け流していく
「頭、目、肩のマッサージ」大抵の客層にマッチ
デスクワークで目が疲れている、外回りで重いかばんを持って肩がこっているなど、頭、目、肩の疲れは誰にでもあるもの。幅広い層の顧客にマッチする部位のマッサージで、顧客満足度を高め、リピーター獲得をめざしましょう。
頭、目、肩マッサージの具体的なやり方は、動画で確認を。握り拳や腕を使っての施術方法も紹介しています。
【頭、目、肩マッサージのやり方】
- トリートメントクリームを頭皮に馴染ませる
- 馴染ませながら頭皮表面の筋肉をほぐす
- 頭皮のツボを指圧する
- 頭皮を引き上げ顔のリフトアップ
- 首をマッサージして全身の血流を促す
- 肩甲骨に指が当たらないように肩を揉む
- 背骨に沿って指を下へ移動させていく
- 親指で長めに指圧する
マッサージを導入して売上アップに繋げましょう!
美容室でのマッサージは、売上アップに繋がるサービスです。とはいえ、すでに多くの美容室で取り入れているため、他店との差別化が必要です。
売上をアップさせるには、マッサージを追加サービスとするなどの施術条件を統一したり、顧客が望む施術のタイミングや部位を理解することが重要です。顧客が満足するマッサージをマスターし、売上アップを目指しましょう。