美容室を開業することは決まったけど、いざ行動しようとしても何を決めて、どこへ出店すればいいのかわからない。そんな悩みを持っている方もおられるのではないでしょうか? そこで今回は、美容室を開業するにあたっての具体的な手順、方向性の決め方、注意点などについて詳しくご紹介します。
美容室の出店には綿密な計画が必要
美容室は日本国内に非常にたくさん存在し、店舗数はコンビニエンスストアの5倍近くと言われています。そんな競争の中で生き残っていくには、いかに他の美容室と差別化してオリジナリティを出せるかが重要です。美容室を出店する際には、明確なコンセプトと戦略を持ちましょう。

美容室の出店計画における6つの手順

スムーズに美容室を出店するためには、しっかりした手順を踏むことが大切になります。 下記のような流れで出店計画を組んでいくといいでしょう。
- お店のコンセプトを固める
- 集客方法を十分に練る
- 借入相談の準備をする
- 出店予定地を決める
- 出店予定地のテナントの状況を把握する
- 出店に必要なコストやスタッフの確認を行う
ここからは具体的にそれぞれの手順についてご説明します。
1. お店のコンセプトを固める

まずはきちんと美容室のコンセプトを固めましょう。
- お店の雰囲気
- メインとするサービス
- 料金形態
- ターゲットとする顧客層
上記のポイントを決めておくことで、オリジナリティの高い美容室を目指せます。
2. 集客方法を十分に練る

出店したい美容室のコンセプトが決まったら、次に集客方法を考えましょう。オープンする日を設定して、その日までに何ができるか練っていく必要があります。
具体的には、次のポイントを意識してください。
- アナログ媒体での宣伝(チラシ、ダイレクトメールなど)
- デジタル媒体での宣伝(SNSやメルマガなど)
- 使用するポータルサイトの決定(ホットペッパービューティ ー、楽天ビューティなど)
これらは想定している客層、集客に使える予算、出店地域の特性などから総合的に判断します。
3. 借入相談の準備をする

美容室の出店には高額な費用がかかるため、おそらく金融機関から借入などを行って資金繰りをする場合がほとんどでしょう。そのとき、きちんと借入に対する計画や準備をしておく必要があります。タイミングによっては借入の申請が混み合うこともあるので、多少は時間の余裕を見込んだ出店計画を立てたいところです。
4. 出店予定地を決める

美容室を出店するには立地条件も大切です。お店のコンセプトに沿った予定地を選びましょう。たとえば、下記のように出店予定地を決めるとやりやすいはずです。
- 家族向けの美容室を出店する場合
→団地、住宅街の近くに出店して顧客流入を狙う - 若者向けの美容室を出店する場合
→できれば若年層が多くいる都内などを狙う
美容室のコンセプトやメインとしているお客様のターゲット層をしっかりとイメージして、そのイメージとズレが出ないように出店予定地を決めるのがポイントです。
5. 出店予定のテナントの状況を把握する

美容室の出店予定地を決めた後は、借りるテナントの状態も必ず確認しましょう。ここで確認を怠ってしまうと、思い描いたイメージ通りの美容室を作りこむことが難しくなってしまいます。
すでに別の美容室やサロンで使われていた「居抜き物件」を狙うか、何も手が加わっていない「スケルトン物件」にするかの判断は重要です。コスト重視なら居抜き物件、オリジナリティの高い美容室を作り上げたい場合はスケルトン物件を選ぶのが一般的です 。
6. 出店に必要なコストやスタッフの確認を行う

先にも少し述べたとおり、美容室の出店には多額の費用がかかります。どのくらいのコストがどの部分にかかるのか、正確に把握しておく必要があります。
- 施術に使う道具のコスト(ドライヤー、ハサミ、パーマ剤など)
- 運営に必要な備品のコスト(POSレジ、ネット回線など)
- 従業員にかかる人件費
- 業者や税理士に支払う費用
特に雇い入れるスタッフや外注業者に対して支払うコストは予想よりも多くなりがちなので、最後まで気を抜かずチェックしてください。

美容室の出店時に注意しておきたいポイント

美容室の開業はコンセプト決定や出店エリア選択も大事ですが、それ以外に忘れてはならない注意点が存在します。
特に、以下の2つはあらかじめ覚えておきましょう。
- 保健所の審査に備える
- 必ず賠償保険には加入しておく
保健所の審査に備える

美容室を出店して開業するためには、保健所の審査が不可欠です。保健所から一定の基準をクリアしていると認められないかぎり、美容室を開業することはできません。また、審査の際には書類が必要になるため、きちんと下記の書類を準備してください。
- 開設届
- 美容室の設備の概要
- 施設平面図
- 従業員一覧
- 医師による診断書
- 登記簿謄本(法人の場合)
書類に漏れがあると美容室のオープンに問題が出ますので、十分に確認しましょう。
必ず賠償保険には加入しておく

美容室の開業時には、忘れず賠償保険にも加入しましょう。賠償保険に加入しておくことで、お客様とのトラブルがあった場合のリスク軽減につながります。もし保険加入なしでトラブル時の賠償責任をすべて負うことになったら、その出費はとほうもなく高額になる場合もあるため対策が必須なのです。

まとめ
最後に本記事の内容をまとめます。
- 美容室の出店を計画するときは、 コンセプトや立地のイメージをしっかり固めるべき
- 美容室を出店して開業する際には手続きも多いので、漏れがないよう要注意
- お客様とのトラブルを防ぐためにも賠償保険への加入は必ず行う
美容室の出店計画をきちんと立てておくことはスムーズな開業に欠かせないだけでなく、コンセプトのはっきりした美容室となり、長期的な経営を安定させることにもつながります。全国にたくさんある美容室の中でも埋もれず個性を発揮できるよう、出店計画を練りましょう!



