「美容室を開業する際に補助金が欲しい」
「補助金や助成金の申請方法がわからない」
このような悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか? 美容室のオープンには1,000万円規模の費用が必要になりますが、すべて自身の貯蓄だけで間に合わせようとしたら大変です。補助金や助成金が得られるなら活用しない理由はないでしょう。そこで今回の記事では、美容室の開業に使える補助金と助成金のおもな種類、特徴、申請方法や注意点などをご紹介します。
(※補助金・助成金はタイミングによって内容や公募の有無が異なります。必ず公式サイトなどで最新の情報を参照してからご利用ください)
美容室開業に補助金や助成金を使うべき理由とは?
美容室を開業する際には1,000万円程度の高額の費用がかかるので、少しでも負担を減らすために補助金や助成金を使うべきです。補助金や助成金は基本的に返済が不要なので、美容室をオープンしたい人の大きな味方となってくれるでしょう。
国からの支給となるので、なんとなく「補助を受けられるのは大手のサロンや美容室だけじゃないの?」と難しく考えてしまうかもしれませんが、実際は個人経営の美容室やサロンも補助を受けることが可能です。開業したい美容室やサロンの規模に関わらず、積極的に補助を受けることをおすすめします。
美容室の開業におすすめな補助金3選! 申請の仕方も解説!
美容室を開業する際に、受けるべき補助金がいくつかあります。その中でも特におすすめなのが下記の3つです。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
ここからは、それぞれの補助金についての特徴や申請の仕方を詳しくご紹介します。
1. IT導入補助金
1つ目におすすめする美容室開業のための補助金として、IT導入補助金が挙げられます。ホームページの作成や、POSレジの導入などでかかる費用を国が最大半分ほど補助してくれる制度です。
申請の手順としては、まずは国にITのシステムを導入する旨を伝えます。専用のサイトがあるので、そこから申請する流れです。具体的にどのようなITシステムを導入するのかを伝えると良いでしょう。その次に国による審査が始まります。きちんと具体性があると認められた場合に申請が通過し、国から補助金が支給される仕組みです。
主な変更点
2022年(令和4年)のIT導入補助金では、2023年10月開始予定となる「インボイス制度」導入による企業間におけるデジタル化を推進する目的として、新たに「デジタル化基盤導入類型」が設けられています。
ここではその変更点について詳しく紹介します。
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの補助率引き上げ
補助額50万円以下の場合 :1/2 → 3/4
補助額50万円超~350万円の場合 :1/2 → 2/3
クラウド利用料をまとめて2年分補助
近年、クラウド上にデータを保管できるクラウドサービスの利用が拡大し、さまざまなITツールがクラウド化しています。このような状況を踏まえ、最大2年分のクラウド利用料が補助対象となります。
PCやタブレット、レジや券売機等の購入も補助の対象へ
中小企業・小規模事業者向けに、インボイス制度を見据えたデジタル化を推進していくため、PCやタブレット、小売店や飲食店などで使用するレジ・券売機といったハードウェアの導入費用も支援される方針となっています。
PC・タブレット:補助上限額10万円、補助率1/2
レジ・券売機等 :補助上限額20万円、補助率1/2
複数社連携IT導入類型の創設
複数の中小企業や小規模事業者が連携し、ITツール・ハードウェアを導入する取り組みを支援することを目的に「複数社連携IT導入類型」が創設されました。効果的に連携するためのコーディネート費や取り組みへのアドバイスを行う外部専門家への謝金も補助の対象となります。
- 商工団体等
例:商店街振興組合、商工会議所、商工会、事業協同組合 - 当該地域のまちづくり、商業活性化、観光振興等の担い手として事業に取り組むことができる中小企業者又は団体
例:まちづくり会社、観光地域づくり法人(DMO) - 複数の中小企業・小規模事業者により形成されるコンソーシアム
(1)基盤導入経費
- ITツール:会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト
- ハードウェア:PC・タブレット、レジ・券売機等
(2)消費動向等分析経費
- ITツール:消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電子地域通貨システム、キャッシュレスシステム、生体認証決済システム等
- ハードウェア:AIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ等
(3)参画事業者のとりまとめに係る事務費・専門家費
(1)基盤導入経費:1/2~3/4
(2)消費動向等分析経費:2/3
(3)参画事業者のとりまとめに係る事務費・専門家費:2/3
(1)基盤導入経費+(2)消費動向等分析経費:3,000万円
(3)参画事業者のとりまとめに係る事務費・専門家費:((1)+(2))×10%
スケジュール
通常枠(A・B類型)
<1次締切分>
締切日:5月16日(月)17:00(予定)
交付決定日:6月16日(木)17:00(予定)
<2次締切分>
締切日:6月13日(月)17:00(予定)
交付決定日:後日決定
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
<1次締切分>
締切日:4月20日(水)17:00(予定)
交付決定日:5月27日(金)17:00(予定)
<2次締切分>
締切日:5月16日(月)17:00(予定)
交付決定日:6月16日(木)17:00(予定)
<3次締切分>
締切日:5月30日(月)17:00(予定)
交付決定日:6月30日(木)17:00(予定)
<4次締切分>
締切日:6月13日(月)17:00(予定)
交付決定日:後日決定
2. 小規模事業者持続化補助金
美容室を開業するときには、小規模事業者持続化補助金の利用も強くおすすめします。チラシ配りをはじめとした宣伝活動や、お客様に対するサービスの開拓など、一定の事業性が認められると最大100万円まで国が負担してくれるのが特徴の制度です。
小規模事業者持続化補助金を申請するための手順は以下の通りです。
- 「小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書」など必要書類を準備する
- 日本商工会議所の事務局に締切までに書類を郵送する
- 認可された場合、補助金がおりる
小規模事業者持続化補助金はいろいろな型が存在し、また電子申請も可能など複雑なので、公式サイトをよく読んで申請ください。必要書式のダウンロードもこちらから行えます。
3. ものづくり補助金
ものづくり補助金も美容室の開業時におすすめな補助金制度です。美容室であれば、新商品やメニューの開発、宣伝、広告などの費用に対して国から補助を受けることができます。補助額は500万~3,000万円となっており、対象の経費に対して最大2/3ほど支援してくれます。補助額が大きい分だけ、他の補助金制度と比べると通過率も低いので気をつけましょう。
なお、ものづくり補助金の具体的な申請方法は以下の通りです。
- ものづくり補助金の公式サイトから電子フォームで応募する
- プロフィールに応募者の詳細、事業概要、経費内訳などを記入して提出する
- 審査を通過した場合に、補助金が認可される
美容室開業には助成金もおすすめ!
美容室を開業するなら、補助金だけではなく助成金も申請しましょう。補助金と同じく返済する必要がないので、積極的に活用すべきです。特に、下記の2つの助成金はおすすめとなります。
- トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
- 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
ここからはそれぞれの助成金について、詳しくご説明していきます。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金も、美容室の開業時に役に立つ助成金です。就業の経験がなかったり、1年以上離職していたりした求職者を、試用期間を設定して雇用すると助成金が受けられます。
申請方法は下記のようになります。
- 厚生労働省の公式サイトから必要書類をダウンロードして記入する
- 対応地域のハローワークに書類を提出して審査を受ける
- 審査が通り次第、助成金が支給開始される
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
美容室の人材をきちんと確保しているなら、人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)を受けられる場合もあるでしょう。具体的には人事評価制度、教育訓練や健康習慣制度などの導入で、従業員の離職率を低下させ、それが国に認められることで利用できます。
人材確保等支援助成金の申請は、下記の手順で行います。
- 支給申請書を厚生労働省の公式サイトからダウンロードして記入
- 対応する地域のハローワークに提出
- 受給要件を満たした場合に、助成金として支給される
まとめ
最後に本記事の内容をまとめます。
- 美容室を開業する際に、補助金や助成金を併用すると負担が減る
- 補助金や助成金は、基本的に返済する必要がない
- 補助金や助成金の種類によって受給条件、申請方法などが違うので確認しておく
- 補助金や助成金は制度変更も頻繁にあるため、必ず最新の情報をチェックする
このように、美容室を開業したい人は補助金や助成金を活用すれば、資金面のハードルを下げることが可能になります。必ず受け取れる保証はありませんが、少しでも負担を減らすために検討してみる価値は十分あると言えるでしょう。