お客様との会話をスムーズに進めるうえで、頼みにくいことや言いにくいことも、最初に「クッション言葉」を入れるとスムーズに伝えることができます。今回は美容室で活用したいクッション言葉について、さまざまなクッション言葉の使用例、基本テクニック、注意点などを紹介していきます。
クッション言葉について
クッション言葉って何?
「クッション言葉」とは、何かを伝えるときの最初に入れる言葉で、全体の印象をやわらかくする効果があります。美容室でもお客様に伝えたい用件を言う前に、クッション言葉をひとこと添えるだけで、丁寧で謙虚な印象を持ってもらうことができます。お客様にマイナスの感情が湧きにくいため、円滑なコミュニケーションをとるために必要不可欠といえるでしょう。
たとえば、「席を移動していただけますか?」と突然用件だけを伝えるより「恐れ入りますが、席を移動していただけますか?」と言われた方が、自然に受け入れやすくなりますよね。このようにクッション言葉は、人とコミュニケーションをとる多くの場面で活用されています。
言葉を柔らかくするクッション言葉
クッション言葉は、お客様にお願いするときやお断りするときに便利です。ストレートに言うと冷たい印象を与えてしまう言葉でも、クッション言葉を添えるだけで、優しい言い回しに変えることができます。
たとえば、お客様に「クレジットカードは使用できますか」と聞かれたさい、「クレジットカードのお取り扱いはございません」と言うとどこか冷たい印象を感じさせてしまいます。ここで「ご不便をおかけしますが、クレジットカードのお取り扱いはございません」とクッション言葉を添えるだけで、敬意や謙虚さが伝わってきます。
メールや電話応対でも活用できる
クッション言葉を活用できるのは、来店していただいたお客様にだけでなく、日頃の電話応対やメール対応にも効果的です。特に表情が伝わらない電話やメールでは、クッション言葉は感情を伝える重要な役割をしてくれるため、うまく利用していきましょう。それぞれの利用シーンに合ったクッション言葉をしっかりと身につけることが大切です。
クッション言葉の種類
お客様にお願いするときのクッション言葉
- ご迷惑でなければ
「ご迷惑でなければ会員カードをお作りしてもよろしいでしょうか」 - 恐れ入りますが
「恐れ入りますが、こちらに記入をお願いいたします」 - よろしければ
「よろしければ、こちらをご利用ください」 - ご不便をおかけしますが
「ご不便をおかけしますが、駐車場はございません」 - ご都合の良いときに
「ご都合の良いときに、メールアドレスのご登録をお願いいたします」 - お手をわずらわせる
「お手をわずらわせてしまいますが、ご連絡をお願いいたします」
お客様に尋ねるときのクッション言葉
- 失礼ですが
「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」 - 差し支えなければ
「差し支えなければ、次のご予約をお取りできますが」
お客様の要望を断るときのクッション言葉
- 申し訳ございませんが
「申し訳ございませんが、こちらのキャンペーンはすでに終了いたしました」 - せっかくですが
「せっかくお電話いただいたのですが、本日は予約が埋まっております」
お客様に謝罪するときのクッション言葉
- 重ね重ね大変申し訳ございませんが
「重ね重ね大変申し訳ございませんが、もう少々お時間がかかってしまいます」 - ご不便をおかけしまして
「ご不便をおかけしております。早急に対応させていただきます」
お客様の意見に反論するときのクッション言葉
- おっしゃることは重々理解しておりますが
「おっしゃることは重々理解しておりますが、ご要望にお応えすることはできかねます」
お客様に感謝をするときのクッション言葉
- おかげさまで
「おかげさまで10周年を迎えることができました」
その他のクッション言葉
- 早速
「早速ではございますが、本日はどのようにいたしましょうか」
クッション言葉を使うときの注意点
同じクッション言葉を続けて使う
会話の中で同じクッション言葉を続けて使うと、マニュアル化されたような冷たい印象を持たれてしまいます。たとえば「恐れ入りますが、こちらにご記入をお願します。恐れ入りますが、ご記入されましたらお声をおかけください」のような会話だと、クッション言葉が逆にしつこく不快な印象を与える可能性があります。
適切でないシーンで使用してしまう
クッション言葉は適切な使い方をしないと違和感が生じて、非常識な印象を持たれてしまうかしれません。「差し支えなければ」というクッション言葉を例にあげると、「差し支えなければ、シャンプー台まで移動をお願いします」という使い方はどこか違和感をおぼえます。
そもそも「差し支え」とは、「不都合でなければ、気にしなければ」というニュアンスで、「不都合なら断ってもらって構いません」という前提でお願いするときに使う言葉です。シャンプー台への移動といった、基本的に断るようなお願いではない場合に対して用いるべきではないため、使用するシーンは選ぶようにしましょう。
乱用は逆効果
同じ言い回しでなくても、クッション言葉の乱用も不快感や違和感を与えてしまいます。
「申し訳ございませんが少々お待ちください。恐れ入りますがお待ちの間にこちらにご記入を願します。差し支えなければお飲み物をお持ちいたします」
このようにクッション言葉を詰めすぎると言いたいことがわかりづらくなり、せっかくのクッション言葉の効果が薄れてしまいます。
「申し訳ございませんが少々お待ちください。お待ちの間にこちらにご記入をお願いたします。お飲み物をお持ちしますがいかがでしょうか」
こちらのほうがシンプルで敬意が伝わる内容になります。
表情をプラスしてより良い接客を
いくらクッション言葉を使いこなせていても、表情がないとロボットのような印象を受けてしまいその効果も半減します。接客は常に笑顔で対応し、謝罪のときは申し訳ないという感情を表情にも出すようにしましょう。また、目線を合わせて会話することも大切です。クッション言葉にこうした身体表現をプラスすると、お客様により居心地よく利用していただくことができます。
クッション言葉を練習しよう
クッション言葉の特徴を理解して、どの場面で使用した方がいいか使い分けができるようにしておくと、いざという時に大変便利です。最初のうちは、場面ごとに接客のマニュアルを作っておけば適切なクッション言葉を選ぶことができますよ。
さらに「お店での接客」「電話応対」「メール」と分類しておくと、よりわかりやすくなります。正しいクッション言葉を身につけられるように、繰り返し練習することを心がけてください。
まとめ
美容室に限らず接客業すべてに共通しますが、クッション言葉をうまく活用できればお客様とのコミュニケーションを円滑にすることができます。場面ごとに適切なクッション言葉を選ぶ、あまり乱用はしない、言葉に表情や目線も加えるといった練習を重ねて、お客様に笑顔になってもらえる気持ちの良い接客をしましょう。


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