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美容師の個人事業主に必要な手続きは? 節税についても解説

美容師が個人事業主になるために必要な手続き

美容師の中には、キャリアを積んで独立し、自分の店を開いたりフリーランスで働いたりする人もいるでしょう。どちらのスタイルも、法人化していなければ個人事業主となるため、手続きには複数の行政機関とのやり取りや書面の提出が必要になります。

開業のタイミングは忙しくなりがちなので、漏れのないように余裕を持って準備しておきたいものです。そこでこの記事では、美容師が個人事業主になる時に、どこに・何の手続きが必要なのかを説明し、あわせて節税についても紹介します。

遂に独立! 美容師の個人事業主に必要な手続きとは?

美容師が個人事業主になる際の、手続きについて説明します。

美容師の個人事業主は開業届、青色申告承認申請書を提出する

個人事業主になったら、納税地を所轄する税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出します。これは、フリーランスでも店舗を持つ場合でも同じです。

なお、提出期限は開業から1ヶ月以内と定められているので、郵送で手続きする場合には余裕を持って発送しましょう。

また、開業届と同時に確定申告で必要な「青色申告承認申請書」も提出します。詳しくは後ほど説明しますが、確定申告には「青色申告」と「白色申告」があり、節税には青色申告のほうがよりメリットがあります。ただし、青色申告を申請するには期限までに書類を提出する必要があるので注意しましょう。

どちらの書類も、税務署に行って受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードすることができます。

開業届ダウンロード先
青色申告承認申請書ダウンロード先

美容所登録を保健所へ提出する

店舗をオープンするためには「美容所登録」が必要です。所轄する保健所に「開設届」を提出し、構造設備等について基準を満たしているかの検査を受けて、合格すれば手続き終了です。

もし検査に落ちても再検査してもらえますが、合格するまで店舗を開けません。もし検査に合格しないで営業した場合、罰金か営業停止処分の罰則規定が課されるため注意しましょう。

開設届の書式や検査手数料はどの保健所でもほぼ同じですが、保健所の事前相談の際に疑問点などをしっかり確認しておきましょう。

国民健康保険に切り替える

勤務先の美容室を退職し、独立して組織に所属しなくなった場合は、健康保険を「国民健康保険」に切り替える手続きが必要です。加入手続きは、前職の退職日から14日以内に、住民票のある市区町村の窓口で行います。

手続きに必要な書類は次のとおりです。

  • 前職の健康保険をやめた証明書
    資格喪失証明書や退職証明書など。前職の職場または健康保険証を発行した地域で取得できます。
  • 加入する人全員分のマイナンバーが確認できるもの
    マイナンバーカードや通知カード、マイナンバー記載の住民票など。
  • 窓口に来所する人の本人確認ができるもの
    マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど。

その他に、保険料を口座振替にしたい場合は、キャッシュカードや通帳、金融機関届出印も持参します。

国民年金に入る

日本在住の20歳~60歳までのうち、厚生年金に加入していない全ての人は国民年金の加入が義務づけられています。会社などの組織に所属している時には、月々の給与から年金保険料が天引きされていますが、個人事業主は自分で支払います。

手続きは、退職後14日以内に、住民票のある市区町村の窓口で行います。年金手帳または基礎年金番号通知書を忘れずに持っていきましょう。万が一紛失してしまった場合には、年金事務所に相談してください。

また、事業を開始したばかりの時は資金繰りが大変なこともあります。月々の年金支払いが難しい場合は、未納にせず、市区町村の年金窓口か年金事務所で相談してみましょう。国民年金の免除や猶予制度が適用されることがあります。

美容師のフリーランスと美容師の個人事業主に違いはない

美容師の独立というと、店舗を持って開業するほかに、フリーランスの美容師として面貸し営業を行うスタイルもあります。どちらも独立ですが、自分の美容室を持っているかどうかの違いだけで、法的にはどちらも同じ個人事業主です。

店舗を持たない場合に美容所登録が不要となるだけで、ほかの手続きは同じです。

独立したら節税はマスト! 課税を少しでも減らすには?

雇用されている時は、税金が給与から天引きされるためあまり意識していなくても、独立すると所得を少しでも減らし、納税額を1円でも少なくしたいと思うものです。そこで、個人事業主なら知っておきたい節税について説明します。

美容師の個人事業主は、経費を売上から引き、できるだけ課税負担を少なくする

個人事業主になると、自身で利益を確定させた1年間の所得に応じて、税金を申告・納税します。これが「確定申告」です。

主に個人事業主が納める「所得税」「消費税」「住民税」「個人事業税」のうち、最も負担が大きい税金が所得税です。所得額に応じて納税額が決定されるため、所得額が増えるほど税額も大きくなる仕組みです。

所得額の決定方法は、次の通りです。

  • 給与所得者:給与支給額=所得額
  • 個人事業主:売上-経費=所得額

個人事業主と会社員などの給与所得者の大きな違いは、経費計上ができるかです。個人事業主は、事業を行う上で必要な家賃や通信費などの費用を経費として売上から差し引けるので、所得額を減らし課税負担も少なくできます。

白色申告より青色申告を利用する

確定申告で青色申告を行うには、事前に開業届と青色申告承認申請書を提出済であることが前提です。白色申告でも可能ですが、以下の通り節税の大きな控除が受けられる青色申告がおすすめです。

  • 最大55万円の所得控除が受けられる
  • 赤字が3年間繰り越せる
  • 家族への給与経費化の上限がない
  • 家事関連費(※1)のうち事業用費用が50%以下でも費用計上できる

なお、2018年の法改正により、2020年分の確定申告から青色申告の控除額が65万円から55万円に下がりました(基礎控除額は38万円から48万円にアップ)。今後も引き続き65万円の所得控除を受けるには、次の条件を満たす必要があります。

  • 複式簿記で帳簿をつけている
  • 貸借対照表及び損益計算書を添付する
  • 確定申告書を申告期限(※2)までに提出する
  • 電子帳簿保存かe-Taxで申請する

青色申告は、「帳簿のつけ方が複雑になって面倒」というデメリットはありますが、節税効果も高いので、しっかり取り組みたいところです。

※1 事業用とプライベート用が混在して請求される費用のこと。光熱費や通信費、家賃などがあげられ、事業用で使用している割合を経費にできる。
※2 例年3月15日ですが、例外的に期日が変わることもある。2021年確定申告(2020年分)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、提出期限が4月15日に延長された。

白色申告は青色申告より節税効果が低い

白色申告には、帳簿が簡単でよいメリットもあります。ただし、青色申告と比べると節税効果は低くなります。

  • 家族への給与経費化は85万円までの上限がある
  • 家事関連費のうち事業用費用が50%以下だと費用計上できない

すでに開業していて青色申告申請をしていない場合でも、3月15日までに申請すればその翌年の確定申告からは青色申告できます。

必要経費を漏れなく申告する

税額負担を少なくするためには、必要経費を漏れなく申告したいところです。一般的に、次の業務上必要なものについては、経費として申告できます。

  • 消耗品購入費:シャンプーやカラー剤、備品など
  • 交通費:通勤費や業務上必要な交通費など
  • セミナーや研修参加費
  • 宣伝広告費
  • 事業用として使われた家賃や光熱費
  • 業務に必要な費用:ハサミ代や雑誌代、接待費など

ただし、次のような費用はどこまでが経費として認められるか判断が難しく、むやみに経費に計上することは注意が必要です。

  • 接待交際費:飲食代の50%まで、年間合計800万円までの上限がある(資本金1億円以下の場合)
  • 高額な備品:備品1個あたりの金額が、青色申告は30万円、白色申告は10万円を超えると全額経費計上できない(一般的に3年に分けて減価償却)
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経費扱いにならない費用を理解しておこう

経費として申告できるものは、あくまでも仕事用に必要な費用です。そのため、プライベートと分けにくい費用については経費として認められないこともあります。

たとえば、店舗兼自宅として借りている建物の家賃や光熱費などは全額経費にはならず、一般的に事業として使っている面積や時間の割合で費用を按分して経費とします。

また、職業柄ファッションに気を遣う人もいますが、仕事着に指定している制服など、明らかに業務用と言える服飾以外は、経費にすることは難しいです。

美容師には個人事業税がかかる

個人事業主になって初めて知る人も多い税金が、「個人事業税」です。個人事業税は全ての事業主が対象ではなく、特定の業種のみですが幅広く指定されています。

美容師免許が必要な美容業は、個人事業税の対象となり、年間所得に対して5%の税率が課せられます。ただし、所得が290万円以下の場合には課税されません。

個人事業主になるための手続きと節税を忘れずに

美容師が個人事業主になるためには、しなければならない手続きが多くあります。どれもそれほど難しい手続きはないので、余裕を持って計画的に取り組めば大丈夫です。

また、個人事業主になると活かせる節税対策もあります。日々の取引を漏れなく帳簿につけておき、計上できる費用はしっかり経費化していきましょう。状況に応じて、税理士にサポートを受けるのもよいでしょう。

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