接客用語とは、お客様と接するうえで欠かせない接客マナーの基礎ともいえるもので、もちろん美容室で働くなら必ず身につけておくべきです。しかし日々の忙しい業務で徹底するのは意外に難しく、おろそかになりがちな部分でもあるでしょう。そこで今回はワンランク上の接客スキルを身につけるため、接客用語の基本、ミスしやすい注意点、シーンごとの言葉遣いなど、さまざまな情報を紹介していきます。
接客用語とは
接客用語は日常のくだけた会話口調とは違って、尊敬語や丁寧語を正しく組み合わせ、お客様に不快感を与えることなく接するための必須スキルです。きちんと身につけることで、たとえ新人のスタッフでも自信をもった接客がおこなえます。
接客用語は基本的な8つのフレーズがあり、「8大接客用語」と呼ばれています。覚えるだけではなくシチュエーションにあわせて適切な言葉を選べるように、日頃からイメージトレーニングしておくと実践でもスムーズに使えるようになるでしょう。
8大接客用語
- ありがとうございます
- お待たせいたしました
- いらっしゃいませ
- かしこまりました
- 恐れ入ります
- 申し訳ございません
- 少々お待ちください
- 失礼いたしました
間違った接客用語の使い方
「い」抜き言葉
接客用語で気をつけたいポイントは、言葉の「い」を抜かさないで喋ることです。たとえば「○○してます」と言いがちですが、正しくは「○○しています」です。細かい話ですが「い」をきちんと言うことで、お客様に与える印象が大きく変わってきます。美容室で働いて間もない新人の従業員や学生のアルバイトは上手く言えないことが多いため、最初のうちは意識して喋るようにして、基礎を徹底的に身につけるようにしましょう。
正しい尊敬語が使えていない
お客様には尊敬語を使わなければいけませんが、よくあるのが尊敬語と謙譲語を取り違えて使用してしまうミスです。謙譲語とは、自分の行為に対してへりくだった表現をするもので、目上の人やお客様に対して使う言葉ではありません。
【間違った尊敬語の使い方】
× 拝見してください → ○ ご覧ください
× 担当の者がいらっしゃいます → ○ 担当の者が参ります
× 了解しました → ○ かしこまりました
接客用語ではない言葉
「~になります」
よく耳にする「~になります」という言葉ですが、正しい言葉遣いではありません。「なります」は何かが変化するときに使う言葉で、「成る」「為る」の丁寧語です。たとえばコーヒーをお客様に差し出すときに「コーヒーになります」では、コーヒーは差し出す前からコーヒーなので何も変化がありません。この場合は、「コーヒーでございます」が適していて、「~になります」は間違った言葉遣いなのです。
他にも会計時に「本日のお会計は○○円になります」と使いがちですが、こちらも正しくは「本日のお会計は○○円でございます」なので注意しましょう。
「~のほう」
つい使いがちな「~のほう」という言葉ですが、文脈の上では間違った使い方です。「お会計のほうをさせていただきます」「雑誌のほうをお取替えいたします」「お席のほうにご案内いたします」など自然に出てしまう場合は、少し意識して会話してみると改善しますよ。
「~していただく形になります」
「~していただく形になります」という言葉は、「少々お待ちいただく形になりますがよろしでしょうか」などお客様になにかを承諾してもらうときに使いがちですが、「形」は必要なく、正しくは「少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」と表現をします。
「どちらにいたしますか」
「どちらにいたしますか」の「いたす」は敬語ではなく謙譲語なのでお客様に対して使用する言葉ではありません。正しくは、尊敬語を使用し「どちらになさいますか」と表現します。
「○○円からお預かりいたします」
会計時によく聞く言葉遣いですが、「から」も不必要な表現なので「○○円お預かりいたします」に変えるようにしましょう。また、お釣りがない場合は、「お預かりいたします」ではなく「丁度いただきます」などの表現に変えるとより適切な言葉遣いになります。
クッション言葉を使おう
クッション言葉とは、お客様になにかお願いするときに話の最初に付け加えると、命令口調ではなく柔らかい印象を与えられる接客テクニックです。さらに疑問形にすると、より自然な形でお客様にお願いすることができます。
【クッション言葉の例】
× お名前をお伺いします → ○ 恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
× お飲み物いかがでしょうか? → ○ 失礼します、お飲み物はいかがでしょうか?
× それではカットします → ○ お待たせいたしました。それでは今からカットします
接客用語を活用してみよう
電話での正しい会話
電話対応は顔が見えない分、言葉選びを間違えるとお客様に不快感を与え、美容室全体のイメージダウンにもつながってしまいます。忙しいときほど丁寧に対応することが大切で、目の前にお客様がいると想像して、丁寧な言葉遣いや優しい口調で喋るように心がけましょう。
- 「お電話ありがとうございます。美容室○○の○○がお受けいたします」
- 「ご予約でございますね。ありがとうございます。恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
- 「○○様、いつもご利用ありがとうございます。ご希望のお日にちとお時間はございますか?」
- 「かしこまりました。担当者のご希望はございますか?」
- 「かしこまりました。予約状況を確認いたしますので少々お待ちください」
- 「○○様、大変お待たせいたしました。○日の○時の予約が空いておりました」
- 「それでは、○日の○時のご予約をお取りいたします。本日のご予約は○○が承りました。お気をつけてお越しください。ありがとうございました」
お会計時の正しい会話
お会計時の接客もとても大切です。会計は受付スタッフがおこなう店舗もありますが、基本的な会話や流れをマニュアル化したほうがトラブルを防ぐことができます。会計は言葉だけでなく動作も気を配るようにすると、より丁寧で快い接客をすることができます。来店してくださったお客様との締めくくりとなる接客なので、最後まで感謝の気持ちをもって対応しましょう。
- 「本日はありがとうございました。本日はカットなので○○円でございます」
- 「○○円お預かりいたします。○○円お預かりいたしましたので、○○円のお釣りです」
- 「差し支えなければ、ポイントカードをお作りしてもよろしいでしょうか」
- 「本日はありがとうございました。またのお越しを心からお待ちしております」
まとめ
美容師は技術力さえすぐれていれば良いというわけでなく、接客業である以上、お客様に対する言葉遣いにもこだわらなければなりません。なにげなく使っていた言葉を正しい接客用語に改めて、意識して喋ることでお客様が心地よいと思える接客ができるようになります。
言葉遣いに上品さが出るとお店全体のイメージ向上にもつながりますので、適切な言葉を使いこなせるように、普段から朝礼で発声練習をするなどしっかりと身につけていきましょう。


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