「美容室を閉店する時はどんな手続きをしなければいけないのか?」
「閉店手続きってなんだか難しそう」
いざ美容室を閉店(廃業)しようと考えた際に、上記のような悩みを持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回の記事では美容室を閉店する時のさまざまな手続き、できるだけテナント撤退にかかるコストを抑える方法、プロの閉店サポート業者を利用するメリットなどをご紹介していきます。
美容室の閉店時にやるべきこと

管轄の保健所に廃業届を提出する
美容室を閉店する際には、保健所に廃業届を提出しましょう。廃業届の書類は各自治体の公式サイトからダウンロードできます。ただし自治体によって提出期限や届出方法、フォーマットなどが異なるので、あらかじめ店舗所在地を管轄する自治体に確認が必要です。
税務署で廃業届出書の提出や青色申告の停止を行う
閉店によって個人事業主としての収入がゼロになる場合は、税務署で廃業届出書の提出を行います。書類は国税局の公式サイトからダウンロード可能です。郵送または直接持ち込んで、店舗所在地を管轄する税務署に提出しましょう。
青色申告を行っている場合はそちらも停止する必要があります。青色申告を停止する年の翌年3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を管轄の税務署へ提出してください。手続き自体はそこまで複雑なものではないので、なるべく早めに終わらせておきましょう。
給与支払事務所等の廃止届出書を提出する
美容室の運営時にスタッフの給与を支払っていた場合や、自分の家族が青色事業専従者として働いていた場合は「給与支払事務所等の廃止届出書」を提出しましょう。フォーマットは税務署の公式サイトで入手できます。
また、消費税を納税していたのであれば「消費税の事業廃止届」もあわせて提出することが必要です。先に紹介した「廃業届出書」や「青色申告の取りやめ届出書」とあわせて提出すると、一気に手続きが進められて便利です。
取引先やお客様にも必ず連絡をする
書類の提出と並んで大切なのが、お世話になった相手への連絡です。閉店時はディーラーやメーカーなどの取引先にも連絡をしましょう。挨拶状を送付することで取引先に礼儀を示せます。
そして自社ホームページ(ブログ)やSNS、ハガキなどを使って、お客様への閉店連絡とお礼も欠かさないようにしてください。

テナント解約の費用について

テナントで美容室を運営してきた場合は、廃業時に解約の費用や手続きが発生します。ここからはテナント解約時の費用やコスト削減のコツについて詳しく解説します。
テナントからの撤退には費用がかかる
テナント解約時には多くの場合、費用を支払うことになります。というのも賃貸契約の期間外にテナント解約を行うと違約金が発生することがほとんどだからです。
さらに、撤退時にはテナントの原状回復(元の状態に戻す)が必要になるため、外部の業者に工事を依頼して解体作業を行わなければなりません。ここにも費用がかかります。
テナント解約の費用を抑えるには
テナント撤退時の費用は、原状回復の負担を軽減することで抑えられます。できるだけテナントにあった自店舗の設備や機材は他の買い手に引き取ってもらいましょう。
また、テナントのオーナーに居抜き物件(次の借り主が設備をそのまま流用する物件)にしてもらえないか交渉してみてください。居抜き物件として店舗をそのまま売買できれば、費用の削減につながります。
日頃からの心がけも大切
解約のコスト負担を減らすためには、日頃からのテナントの扱いも重要です。特に居抜き物件として売却する場合は、テナントの状態がどれだけ綺麗かによって大きな差が出てきます。
なかなか撤退時まで予想して美容室を営業することは難しいと思いますが、テナントに傷や汚れをつけないように毎日の営業を心がけていきましょう。

閉店サポート業者への依頼も検討する

美容室の閉店にはさまざまな手続きがあって知識も必要なので、少し大変なところもあります。場合によっては「閉店サポート」を行ってくれる業者への依頼も検討すると良いでしょう。
以下、閉店サポート業者のメリットをご紹介します。
秘密厳守を徹底してくれる
閉店や売却の情報は、早い段階でお客様や取引先に知られると、営業に支障が出てしまう場合があります。閉店サポート業者はこの点でも有利です。
サポート業者のスタッフが買い取り手へ直接訪問したり、メールや電話で個別に問い合わせたりしてくれるので、自社でやるより情報が漏れにくいと言えます。
居抜き物件を希望額以上で売却できる
閉店サポート業者はプロ集団なので、買い取り手に対して、居抜き物件を高く売れるように尽力します。「この居抜き物件を購入すると、どのようなメリットがあるのか」など可視化して買い取り手に交渉を行ってくれるのです。
家賃や立地などのメリットを含めた上で交渉してくれるため、希望額以上で居抜き物件を売却できることも珍しくありません。もちろん業者への報酬は発生しますが、それを差し引いてもお得だと判断できれば依頼を考えてみるのも良いでしょう。
まとめ
最後に本記事の内容を簡単にまとめます。
- 美容室を閉店する際には、保健所や税務署に各種書類を提出する必要がある
- テナント解約にはさまざまな費用がかかるので要注意
- 居抜き物件としてテナントを引き渡すことができれば、撤退コストの削減につながる
- 場合によっては閉店サポートのプロ業者への依頼も検討してみる
閉店の手続きは新規オープン時と違って気が重くなりがちですが、少しでもスピーディーかつ低コストに進められれば、再挑戦への希望も見えてくるでしょう。できるだけ無駄が出ないよう、しっかり知識を持って進めていってください。


