この記事では美容室のWEBマーケティング、特にHPのSEO対策について解説します。筆者は大手企業のマーケティング部門にWebマーケターとして5年勤務した経験があります。今回はその経験をもとに最新のWebマーケティング事情についても解説したいと思います。
Webマーケティングの業務においては、基本的に商品やサービスの「宣伝や広報」(プロモーション)を行います。そのため各ビジネスにおいてサービスや商品を宣伝し売上につなげるのがWebマーケティングの基本的なお仕事になります。その他、「Webコーディング」「デザイン」「SEOのライティング」「データ解析」等もWebマーケティングの一環に含まれます。
近年のマーケティングにおいて最も重要なのは、どれだけの「リーチ」を獲得できるかです。「リーチ」とは広告やコンテンツがどれだけのユーザーに到達(リーチ)したかを示す指標です。
今回ご紹介する「美容室のHPのSEO対策」以外にも、たとえば各種SNS(FacebookやYouTube、Instagram)を活用することでも、多くのネットユーザーに広告や宣伝を行うことが可能となり、有意義です。どのようなマーケティング手法を選んだ場合でも、適切なキーワードを選定することが最も重要です。
SEOについて解説
最初に、SEOについて説明したいと思います。「SEO」とは「検索エンジン最適化」(Search Engine Optimization)のこと。基本的には特定のキーワードで検索された際の検索結果において自社のWebサイトを上位表示させることと考えてください。
近年のWebマーケティングでは各サイトのトップページやランディングページ(商品やサービスの内容を端的に説明し、受注や問い合わせにつなげるためのページ)など、アクセスを集めたいページにSEO対策をすることで、特定のキーワードで検索したユーザーに自社の商品やサービスをリーチさせる手法が一般的です。
SEOの効果を利用すれば、各種のビジネスやサービスを検索した際、検索順上位に自社ページを表示させることが可能となるため、多くのリーチが得られ、販売促進に有利になります。美容室の場合はサロンのオリジナルHPや予約ページにSEO対策をすることになります。
SEOの仕組み1:事前にキーワード選定が必要
Google検索ではコンテンツ内に含まれるキーワードの数、または関連しているキーワードの数などに従い検索順位が決まります。
そのため、まずはGoogle広告の「キーワードプランナー」などを使用してよく検索されているキーワードや関連のキーワードを選定することから始めましょう。そのキーワードをコンテンツやWebサイト内にバランス良く配置することでSEOを行います。
キーワードを選定する際は関連キーワード等もしっかりと調査します。たとえば「美容室」だけでは、全国の「美容室」がヒットする=多くの競合がいます。そのため「美容室」のキーワードのみで検索上位表示を獲得するのは困難になります。その場合、キーワードを「美容室+店舗のある地名」などとします。もしも店舗が新宿にあるのであれば、「美容室 新宿」がキーワードとなります。いくつかの関連キーワードを組み合わせて、上位表示を狙うキーワードを選定します。美容室の場合は
- 美容室
- 地名
- 髪型
- 料金
- 駅前
- 徒歩5分
- 安い
- キャンペーン
などがキーワード候補になります。たとえば「美容室 新宿 駅前」「美容室 新宿 安い」「美容室 新宿 キャンペーン」のように地名やサービスなどを組み合わせてキーワードに指定することで、より精度の高い誘客が可能となります。
SEOの仕組み2:上位表示されるページの条件とは
一般にSEOの検索順位の仕組みは、
- 検索したキーワードや関連キーワードが多く含まれている(=検索したキーワードと関連性が高い)ページ
- 検索したユーザーの疑問や悩みに回答を提示するページ
- 信頼性があり、質が高いページ
上記の条件を満たしている(と、検索エンジンが判断した)ページが上位表示されると考えられます。
そのため、ただキーワードを含めれば良いというわけでなく、サイトの中の全体的なページの数とキーワード数や、関連キーワードなども重要です。たとえば「美容室 新宿」をキーワードとするのであれば、サイト全体の中で「美容室 新宿」に関連するコンテンツが多いと、サイト全体の評価が上がる仕組みです。検索回数が特に多いキーワードなどは競合も多いのでコンテンツの質や量が求められます。
SEOと同時に品質の良いWebページ、広告制作も必要
SEOと並行してやっておきたいのが、デザイン性の高いホームページの作成や広告制作です。業者に委託するのが一般的ですが、PhotoshopやIllustratorを使いこなすことができれば、高品質なデザインを自作することも可能です。また、使用する写真も重要です。プロが撮影した有料素材を使用することももちろんできますが、一眼レフ等を使用して自分で撮影してみるのもよいかもしれません。
SEO以外のWebマーケティングの事前調査
Webマーケティングでは、どれだけのリーチを集めるかが重要です。そのためネットを利用してSEOを行う際には「キーワード選定、データ解析、アクセス調査」などもマーケティングに含まれます。前述した「Googleキーワードプランナー」を利用したキーワード選定のほかに「Google アナリティクス」を用いたアクセス解析などもSEOの一部と考えてください。また近年はSNSを利用したマーケティング等もあり、今後需要の拡大が見込まれています。SNSはシェアをするだけで情報を拡散することができ、多くのリーチ獲得につながるので、経験上非常に良い広告になると思っています。
まとめ
WebマーケティングにおいてはSEOに加えてWebデザイン・広告作成・データ解析などが関連するため、それらのスキルが必要です。さらに市場調査などのマーケティング能力も必要です。足りないスキルは外注などで補うことも考えつつ、まずはできるところから始めるのをおすすめします。
地名やサービスなど、設定したキーワードの検索順位が上位で定着すれば安定したリーチを得ることができ、集客につながっていきます。まずはしっかりとキーワードを選定したうえでコンテンツを作ってみましょう!