新型コロナウイルスによる脅威は、まだまだ続いていくと思われます。感染拡大防止のためできる予防対策を徹底して、お客様が安心して来店できる環境を整えましょう。今回は、密閉・密集・密接の「三密」を回避するため、パーテーション導入、換気と消毒、キャッシュレス決済などさまざまな美容室の対策を紹介していきます。
三密についておさらい
まず、三密について簡単におさらいをしていきましょう。三密とは、「密閉」「密集」「密接」という3つの状態を指します。「密」になることは新型コロナウイルスの感染につながるため、屋外でも「密集」「密接」にならないように注意しなければなりません。具体的には、政府が提示している以下の6つの項目を守るようにしましょう。
- 他の人と十分な距離(2メートルが目安。いわゆる「ソーシャルディスタンス」)をとる
- 窓やドアを開けてこまめに換気する
- 屋外でも密集することや、集団での運動は避ける
- 飲食店などでは、多人数での会食は避け、席を空けて座る、互い違いに座るようにする
- 会話をするときはマスクを着けて、短時間で済ます
- 電車やエレベーターなどでは、会話を慎む
美容室での三密対策
パーテーション設置
新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐ対策として、パーテーションの設置が有効とされています。パーテーション設置によって物理的な仕切りが設けられ、美容室でお客様同士の密接や密集を回避することができるのです。
特に小さめの店舗では1席空けてソーシャルディスタンスを保つやり方だと、施術できる人数が減ってしまい売上にも大きく影響してくるでしょう。その点、パーテーションを使えば透明な仕切りなので美容室の雰囲気を壊すことなく、効率よく三密回避ができるのです。
春うららかな書房では、美容室向けのアクリルパーテーションを国内の老舗オフィス家具メーカーとタイアップで開発していて、販売とレンタルを行っています。アクリル板を3mmまで薄くし、強度を高めたパーテーションなので、女性でも持ち運びが楽にできるのが特徴です。購入しようか迷っている方は、まずはレンタルで導入してみてから購入を検討してみてはいかがでしょうか。
座席間隔を空ける(対人距離の確保)
三密を避けるためには、2m以上のソーシャルディスタンスを保つことが有効です。お客様の利用が少なく座席に余裕がある場合は、席を1つ飛ばしに座ってもらうようにしましょう。また、美容室の待合室も密にならないように注意が必要です。
そのためには、待機場所を増やしておくことが必要ですが、こちらも小規模の美容室だと限界があると思います。そこで、美容室側でお客様の予約をコントロールして三密を防ぐような工夫が必要になってくるでしょう。予約管理システムを導入したり、クーポンの利用や当日のキャンセル情報をお客様と共有したりして、平日や比較的空いている時間帯に予約を分散させることが重要なのです。
定期的な換気の実施
密閉を避けるために定期的な換気を実施しましょう。店舗に窓がある場合は、2箇所開けて空気の流れを作るとより効率的に換気を行えます。窓が1箇所の場合はドアを開けるようにして、1時間に1回、5~10分ほど空気を入れ替えるだけでも換気になります。
窓がない場合も、基本的にビルなどの施設は充分な換気機能が備わっているので、さほど心配しなくても大丈夫なケースがほとんどです。窓がない店舗では、換気扇を常に作動させておくことや、空気清浄機を導入することも有効的な手段です。換気設備が古くなっている場合は、高性能の換気設備に買い替えると安心してお客様に美容室を利用してもらえるので、検討してみるのもいいでしょう。
キャッシュレス決済導入
非接触を徹底するために、現金のやり取りを伴わないキャッシュレス決済の導入も推奨されています。キャッシュレス決済は主に、クレジットカード決済や電子マネー、QRコード決済などがあり、今後さらに利用者数は増えていくと予想されます。キャッシュレス決済を導入するには、POSレジシステムやカードリーダー・QRコードリーダーなどの専用機器が必要ですが、日常的なサロンワークの簡略化にも役立つため取り入れる美容室が増えてきています。
さらにコロナ禍の影響もあって、キャッシュレス決済導入店舗は約27%から約37%に増加(2019年9月~2020年9月)したという調査データがあります。ポイント還元サービスが盛んに実施され利用者のメリットも大きいため、将来的には導入が必須となっていくでしょう。
その他のコロナ対策
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、1人1人の対策意識を高めることが必要です。飛沫を防ぐマスクの着用、アルコール消毒の徹底、健康状態を確認するための検温の実施などは必須となっています。美容室でも、以下に挙げる3つのコロナ対策を取り入れて感染拡大を防止しましょう。
マスク着用
美容室では、お客様に近づかないと施術できないので、マスクの着用は欠かせません。ですがマスクをしているからといって、100%感染防止ができるわけではないのです。
マスク非着用の5分間の会話では、咳1回分と同じリスクがあると言われていて、もしもスタッフが新型コロナウイルスに感染していた場合、約3,000個のウイルスが飛散することになります。そのため不必要な会話は非常に危険で、必要最低限の会話を心がけることが大切です。
さらにお客様にもマスクを着用したまま施術を行ってもらう必要もあるでしょう。その場合、施術中にマスクが汚れたり濡れたりしてしまう可能性があるので、美容室側で新しいマスクを用意するとより親切な対応になります。
消毒の徹底
入店の際にはアルコール消毒を徹底してもらいましょう。手に付いたウイルスを除去するには、石鹸を使用した手洗いや、濃度70%以上のアルコール消毒が有効です。これはスタッフにも言えることで、出勤時や施術中にお客様に触れる前、触れた後には必ず手の消毒や洗浄をしてください。サッと消毒できるようにアルコールスプレーを使いやすい場所に設置しておくと便利です。最近では、手をかざすだけで自動で消毒液が出てくるものや、足でペダルを踏むと消毒液が出てくるタイプのものがあるので、さらに接触リスクが減らせます。
お客様にも入店時にアルコール消毒をしてもらうために、わかりやすく入口付近にスプレーを配置し、POPを利用して消毒を促すようにしましょう。また、人が手に触れる部分や施術に使用した道具も消毒して、感染対策を徹底的に行ってください。
検温実施
手の消毒とともに、検温も済ませてから入店してもらいましょう。新型コロナウイルスの発症の特徴として、37.5度以上の発熱や倦怠感などの症状が見られます。検温時に微熱が出ていた場合は、利用を控えてもらうことで感染拡大の防止につながります。
また、スタッフも出勤時に検温を必ずして、体調管理をしっかり行ってください。発熱がなくても少しでも感染の症状の疑いがある場合は、無理に出勤せず病院で受診するなど、早めの対策をとるようにしましょう。おでこにかざすだけで手軽に測定できる体温計を使えば、1回1回消毒する手間が省けより安心して使うことができますよ。
業界団体のガイドラインを参照する
全日本美容業生活衛生同業組合連合会では、美容業における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインを発行していますので、ぜひ参考にしてみてください。ガイドラインには、感染を防止するための対策や知識、もしも感染者が出た場合の対応など、いざという時に必要な情報が記載されています。美容室はお客様との接触が多い業務ですので感染予防対策に関する情報を積極的に取り入れて、より安全なサービスを提供できるように努めていきましょう。
まとめ
美容室の新型コロナウイルス対策としては、マスク・消毒・検温の徹底、窓の開放や空気清浄器など店内の換気、そしてお客様の目に見える形で「三密」回避への取り組みをアピールすることが効果的です。コロナ対策に労力がかかり大変な時期だと思いますが、真剣に取り組むことでお客様の信頼を獲得するチャンスでもありますので、頑張っていきましょう。