美容師として就職したい、または別の美容室に転職したいと思った際、重要になるのが採用面接の受け方です。今回は美容室の一般的な面接の流れ、注意したいポイント、採用担当者はどこを見ているか、面接でよく質問される内容などについて詳しく解説していきます。

一般的な美容師の面接の流れは?

美容室の面接は、どのような流れで実施されるのでしょうか。一般的な採用面接を例にとって、大まかな流れと注意点を紹介していきます。まず当日は、指定された場所へ余裕をもって指定時間の20~30分前に到着するのがおすすめです。遅刻は厳禁です。
そして受付を行います。受付でも言葉遣いや態度を見られている可能性があるので、だらしないとマイナスな印象を持たれてしまうかもしれません。挨拶などの基本的マナーを怠らないように気を付けてください。
待合室で待機する場合も、私語をしたリスマートフォンを見たりすることはNGです。落ち着きのある態度で待ちます。自分の順番がきたら、返事をして面接場所に向かいます。お辞儀をして名前を伝えてから着座しましょう。
ここからいよいよ面接が始まります。面接では、自己紹介から志望動機などさまざまな質問をされます。事前にどんな質問が出るかを予想して対策しておくのが必須です。また、集団面接を行っている美容室もありますが、こちらは与えられた時間内で話を終わらせなければならないなど、面接タイプによって対策が異なってきます。どんな形式の面接になるか、事前によく確認しておくのがポイントです。

美容師面接の対策

美容師の面接で重要視される自己紹介や自己PR 、マナーのポイントをしっかり把握しておきましょう。面接では自分の想いや人柄を伝えていくことが大切です。
面接の成否は、短い時間の中でいかに自己紹介・自己PRをしっかりできるかにかかっています。言葉遣いや態度、仕草など社会人の常識としてのマナーも面接で欠かせない要素となります。
自己紹介
自己紹介では、自分がどういう人間であるかを面接官に伝えることを目的として、自身のプロフィールを紹介していきます。
プロフィールでは、名前、年齢、経歴、出身校などの情報を面接官に伝えます。最初に話し始める部分なので、印象に残りやすくなります。できるだけ伝わりやすい言葉を選び、あまりダラダラとした内容にならないように、時間にしてだいたい1~3分以内の内容にまとめるのがおすすめです。
伝えるときの表情も硬くなりすぎないように、しっかりと前を向いてハキハキと喋るように心がけリラックスして臨みましょう。
自己PR
多くの場合、自己紹介の後に自己PRを求められます。自己紹介と自己PRの違いがわかりにくいですが、自己PRでは、自分のこれまでの経験やそれを通じて得た強みをどう仕事に活かしていくかなどをアピールします。
面接官は、入社して活躍してくれる人材を探していますので、自己PRであまりにも関係ないことを話すより、結果的に仕事に活かせるような内容にしたほうが有利です。できれば具体的なエピソードを入れた内容にすると、面接官も入社後の姿をイメージしやすくなるでしょう。
マナー
面接での基本的なマナーも身に付ける必要があります。以下の項目は最低限守るべきマナーなのでよく理解しておくようにしましょう。


遅刻は厳禁
社会人として遅刻は厳禁です。先にも述べた通り、できれば余裕をもって20~30分前、遅くとも5分前には面接の会場に到着しましょう。電車の遅延などにより遅れそうな場合は、必ず電話で一報を入れてください。
受付での対応
受付から面接が始まっていると思いましょう。受付では、名前と面接に来た趣旨を伝えます。この時もダラダラしたり、周りをフラフラ動き回ったりせずに落ち着いた振る舞いが求められます。
待合室で待機するとき
面接まで待機しなければいけないときは、静かに待ちます。できるだけリラックスしてスムーズに面接を受けられるような体制を整えておきましょう。
入室時のマナー
名前を呼ばれたら、指定された場所に移動します。ドアがある場合は、軽くノックして「どうぞ」と言われてから入室してください。
入室したらドアのほうを向いて静かに閉め、面接官のほうを向いて一礼してから、名前と「本日はよろしくお願いいたします」と伝えます。面接官から「どうぞ」と言われたら着座します。この時に背もたれによりかからないようにしましょう。
退室時のマナー
面接が終わったら椅子の横に立ち「ありがとうございました」と面接のお礼を伝え、ドアの前で一礼してからドアを開けます。面接が終わったからといって気を抜かずに、帰宅するまで社会人として恥ずかしくない行動を意識してください。

美容師の面接でよくある質問

美容師の面接でよくある質問をまとめました。中途採用の場合、前職をなぜ辞めたのか聞かれる可能性が高いので事前に準備しておきましょう。また、変わった質問をしてくる面接官もいるので、どんな質問がきてもあまり動揺しないように対応することが大切です。
なぜ前職を辞めたのですか
中途採用の際に必ずといっていいほど質問されます。きちんと筋の通った理由を考えておきましょう。スキルアップなどのポジティブな内容にしたほうが、良い印象を持ってくれます。前の職場を非難するような内容は避けることが重要です。

弊社を選んだ理由は何ですか
なぜこの美容室で働きたいか、共感を得られるような志望動機を伝えます。「美容室の方針に賛同して」「流行に敏感な美容室で技術を磨きたい」など美容室に当てはまる理由にしたほうが無難でしょう。
そのためにも美容室の経営方針などを把握しておく必要があります。あまりにも見当違いの回答や多くの美容室に当てはまるようなことを言うと説得力がなくなるため要注意です。
どんな美容師になりたいですか
自身が美容師になった動機やこれからの抱負を答えるのですが、こちらも美容室の方針とかけ離れたことを言わないようにしましょう。
たとえば、雑誌への掲載や流行を作っていくような美容師になりたいと言ったとしても、そのような仕事をしていない美容室だった場合、「それはうちじゃできないよ」と言われるかもしれません。その時点で合格の可能性が薄れてしまうので、入社したい美容室とかみ合っている内容かよく検討してください。
自分を電化製品にたとえると何ですか?
面接官の中にはユニークな質問をしてくる方もいて、その一例を挙げます。こうした質問は、あなたの長所や短所と関係してきますので、自身と共通する物を答えるようにしましょう。今回の質問例では「自分が周りにどう思われたいか」という点を見ているそうです。
ユニークな質問は他にもたくさんあるので、自分自身を見つめ直すためにチャレンジしてみるのも面白いですよ。

一般的な面接でよくある質問

今度は美容業界に限らない、面接で一般的によくある質問を簡単に紹介します。ここでも大切なのは自分自身を素直に伝えることです。よく見せようとすると逆に個性的ではなくなってしまうかもしれないので、あなたらしさをきちんと伝えていきましょう。
あなたの趣味を教えてください
自分の趣味についての話ですが、どういう理由で好きなのか、こういう部分が良いなど具体的に話して面接官の興味を引くような内容にするといいでしょう。
たとえば、マラソンが趣味であるとして、「週に何日何キロ走るようにしている」「マラソン大会に出場したこと」「そのために普段行っているトレーニング・自己調整法」などをアピールすると話が面白くなりますし、結果としてあなたという人間を掘り下げて面接官へ伝える助けになります。
長所と短所を教えてください
面接では、長所と短所もよく聞かれる質問です。答えを出すには自分自身をよく分析することが大切です。周囲の人に聞くのもいいでしょう。
長所と短所は表裏一体でもあるので、安易に答えると矛盾してしまう場合もあります。短所を話すときには、どう改善していくべきかも付け加えれば印象が良くなりますよ。
面接官の立場になって考えてみよう

面接で適切に振る舞うには、面接官の視点、つまり「雇う側が良い人材を確保するためにはどうしたらいいか?」を考えるのも有効です。面接官は短い時間の中で、採用希望者の人間性を判断しなければいけません。そのために、人材を見極めることができる質問をしてくるはずです。
何に重点を置いた質問をすれば求めている人材を得られるのかを、面接官は事前によく考えています。たとえば、コミュニケーション能力がある人材を求めている場合は、「趣味や好きな物は何ですか?」「最近経験した楽しいことは何ですか?」といったシンプルな質問で、相手にわかりやすく話を伝える、話を盛り上げながら人と接する能力を確認することができます。また、「働いていくうえで大切なことは何か」の質問では、自社美容室との相性や働く意欲があるかなどを判断できるでしょう。
美容師の離職率は他業種より高いと言われ、人手の確保と経営安定のため採用担当者は真剣に人材を探しています。その立場も理解すれば、面接でどんな対応が求められるかも理解しやすくなるでしょう。

まとめ
美容室の採用試験では、面接の流れを把握し、面接官の前でも堂々としゃべれるように事前に対策をとり、練習を重ねることが大切です。そして言葉遣いや態度などの基本的なマナーは、面接当日までにきちんと身に付けてください。
雇用する側は求めている人材を確保するために、「どんな質問をすれば自社が必要とする人材を見抜けるのか」をよく考えています。面接を受ける側も、その点を理解しておけば適切な受け答えができ、お互いのミスマッチをなくすことにもつながるでしょう。
