美容業界で成功を収めるためには、日々変化し続けるトレンドや業界全体の動向を正確につかむことが大切です! そこで今回は、さまざまな観点から美容室・美容業界の現状や課題を詳しく解説します。働き方改革やコロナ対策にも触れているので、美容室オーナーはぜひ参考にしてみてください。
美容業界の現状と動向
それでは早速、美容業界全体の現状や動向を探っていきましょう。新型コロナウイルスの感染拡大により、今まで当たり前だったことが当たり前にできなくなったこの2年。外出率の減少に伴い、女性1人あたりが美容にかける金額も減っていると見込まれていましたが、実際のところはどうなのでしょうか?
確かに2020年、理美容サービスへの年間支出額は過去最低水準を記録しました。しかし、年間の売上高は堅調に推移しており、それほど大きな変化は見られません。
美容室の店舗数・美容師数ともに増え続けてきた
新型コロナウイルスの影響はまだデータに反映されていませんが、それまで美容室の数は右肩上がりに増え続けてきました。全国で年間3,000~4,000もの美容室がオープンし続けた結果、2018年度には店舗数が25万を突破しています。それに伴い美容師の数も年々増加しており、2016年以降は毎年1万人ずつ増えています。
また、近年は特定の美容室に所属しないフリーランス美容師の活躍も目覚ましいところです。2017年時点で約8万人がフリーの美容師として働いており、フリーランスに施術スペースや設備を貸し出す「シェアサロン」の展開も進んでいます。
さらに近年は顧客ニーズの変化やライフスタイルの多様化により、新たな業態やサービスを始める美容室も少なくありません。施術内容もカットやパーマだけでなく、ネイルやまつげエクステなど多岐にわたり、ネイリスト・アイリストを雇用するサロンも増えてきています。
長時間労働による離職率の高さは懸念材料
年間1万人ずつ美容師が増えている一方、離職率の高さが懸念されています。厚生労働省のデータによると、入社3年目での離職率は50%前後。実に2人に1人が、入社後3年足らずで辞めてしまう計算となり、人手不足に悩むサロンも少なくありません。
原因のひとつとなっているのが、美容師をとりまく労働環境です。日本全体で働き方改革が進む一方、美容師にはまだまだ「長時間労働」「休みがとれない」「プライベート時間がない」といったネガティブなイメージがつきまとっています。美容業界でもサービス残業が当たり前という風潮は減りつつありますが、それでもほかの業種と比べてブラックな印象を拭えていないのが現状です。実際に、美容師の平均月間休日数は6~7日と、一般的な企業の半分程度になってしまっています。
美容業界の課題と解決法を考える
ここからは、美容業界の課題と解決法を考えていきましょう。上記でご説明した離職率の高さや長時間労働を改善する「働き方改革のヒント」も紹介しています。
客単価・来店頻度の向上
「1,000円カット」をはじめとしたロープライス店舗の台頭により、カットに関しては価格競争が激化しています。ただでさえ年間3,000~4,000店舗ずつ新しい美容室がオープンして飽和状態となってきた中、顧客獲得の難易度は今後ますます上がっていくでしょう。
美容室の平均客単価は6,000円前後とされていますが、スタッフ数の少ない店舗が生き残るにはさらなる客単価向上を目指す必要があります。客単価を向上させるには、デザインカラー・トリートメント・ヘッドスパなど、+αの価値や体験を生み出すメニューの増強が不可欠です。また、他店にはない独自のサービスやおもてなしを提供することで来店頻度の向上も目指すべきでしょう。
働き方改革
先にもデータをまじえて紹介した通り、美容業界はまだまだブラックなイメージが強く根付いている状態です。労働環境の改善はより良い人材の確保に直結するため、経営側は「働き方改革」を積極的に実施しましょう。特に、長時間労働は美容師という職業のイメージ低下につながっています。労働基準法では「1日8時間、1週間40時間」を基準とし、6時間以上の労働には45分以上、8時間以上の労働には1時間以上の休憩が必要となります。また、休日については1週間に1日、もしくは4週間に4日以上の休日を設けなければなりません。
SNSや口コミを活用した情報発信・集客
子どもから大人までインターネット環境が普及している昨今、SNSや口コミサイトを活用したマーケティングはますます重要になっていきます。もうすでにSNSアカウントを運営しているサロンも多いと思いますが、今後はより効果的な発信方法や情報を模索してみましょう!
SNSとひとくちにいっても「Twitter」や「Facebook」などさまざまな種類がありますが、美容室の公式アカウントを開設するなら「Instagram」が断然おすすめです。他のサービスとは異なりInstagramは写真と動画がメインなので、ヘアスタイルや店舗内装、新商品などをよりわかりやすく伝えることができます。また、ヘアケアやヘアアレンジといった、プロの美容師ならではの役立つ情報を発信するのもよいでしょう。
高齢化社会に対応した施策
日本の高齢化はますます進み、20年後には人口の35.3%が高齢者になると推測されています。これからの美容室には、店内のバリアフリー化、お年寄り向けメニューの充実など、高齢化社会へ対応した施策が求められてくるでしょう。
また、近年は外出が困難な人に向けた「福祉美容」にも注目が集まっています。代表的なところでは、お客様のご自宅や入居されている施設まで美容師が直接赴く「訪問カット」があります。福祉美容師や介護美容師など、体が不自由な方や介護が必要な方に安全に施術を受けてもらうためのノウハウが習得できる資格もあるので、ぜひチェックしてみてください。
業務効率化のシステム導入
美容師の仕事は施術や接客だけではなく、予約管理や開店準備、会計・レジ締めなど多岐にわたります。こうした業務の煩雑さがサロンワークの忙しさ、ひいては長時間労働の一因にもなっているため、業務効率の改善はすべての美容室にとって必要不可欠です。
たとえば顧客管理システムを導入し、予約管理をパソコンやタブレット上で行うようにするのはどうでしょうか? 画面上でクリック(タップ)するだけで予約受付が完了し、予約状況をサロン全体で共有することもできます。また、予約管理システムにレジシステムがプラスされているサービスを導入すれば、会計・レジ締めの手間もぐっと軽減できるでしょう。このように施術・接客以外の業務を効率化すれば、美容師の負担を減らせるだけでなく、お客様により質の高いサービスを提供できるようにもなります。
コロナ(感染症)対策
お客様に安心してお過ごしいただくためにも、新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策は欠かせません。スタッフのマスク着用はもちろんのこと、換気・消毒の徹底、パーテーションの導入など、対策を万全にしましょう。
また、一度に何人かのお客様をお迎えする場合は、お客様同士の距離にも気を配りたいところ。待合スペースやシャンプー台、施術台は間隔をあけ、ソーシャルディスタンスを保つようにしましょう。コロナ禍をきっかけに「お店の感染症対策を事前にチェックする」というお客様も増えているので、SNSやWebサイトを通じて感染対策への取り組みをアピールすることが大切です。
まとめ
働き方改革の推進、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、美容業界は大きな転換期を迎えています。取り組むべき課題はたくさんありますが、ひとつひとつ着実にクリアして、お客様に長く愛される美容室を目指しましょう!