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知ってるようで知らない!? 美容室と理容室の違い

美容室と理容室の違い

「美容室」と「理容室」

似たような言葉ですが、この2つには明確な差があります。美容師を目指している人や現役の美容師でも、意外とはっきり答えられない人は多いのではないでしょうか?
そこで今回は知ってるようで知らない「美容室」と「理容室」の違いについて、業務内容、法律上の位置づけ、求められる技術の方向性などさまざまな視点から解説していきます。

「美容室」と「理容室」は何が違うの?

「美容室」と「理容室」の見分け方は?

「床屋さん」をイメージするときに浮かぶ、赤・青・白のしましまがクルクル回転するサインポール。実はあれが「理容室」の目印なんです。条件さえ満たせば美容室でもサインポールを設置できるため一概には言えませんが、基本的には「サインポールがある=理容室」と考えてよさそうです。

では、なぜ理容室にはサインポールが設置されるようになったのでしょうか? この慣習が始まった歴史を紐解くと、時代は中世ヨーロッパにまでさかのぼります。当時、理容師は外科医を兼ねた職業で「理容外科医」と呼ばれていました。

中世ヨーロッパでは瀉血(しゃけつ)という治療法で用いる赤い棒のことを「理容外科医の棒」と呼んでいたのですが、手術後、使用した赤い棒は白い包帯と一緒にお店の軒先に干されていたのだそう。そこへ風が吹くと赤い棒に白い包帯がぐるりと巻きつく、その様子が、いつしか「理容外科」の象徴となっていった……というのが1つの説です(ほかにも諸説あります)。

やがて理容師と外科医が別々の職業へ分けられると、外科は「赤・白」、理容室では「赤・青・白」の看板を掲げるようになったといいます。理容室の「青」がどこからきたのかについても複数の説があり、はっきりとしたことはわかっていません。また、イギリスなど一部の国では、今なお2色のサインポールが使用されているようです。

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カット技術に違いはあるのか?

一般的に、美容室には女性客が多く、理容室には男性客が多い傾向があります。そのため美容室はふんわりと丸みのあるシルエット、理容室ではキッチリと四角いシルエットを意識しているようです。また、美容室ではお客様の要望と美容師のセンスをかけ合わせてデザイン性のあるヘアスタイルを作り出すケースも少なくありません。

カット技術に差があるというよりも、それぞれの客層に合わせたカットを追求しているようなイメージですね。最近では女性向けの理容室も増え、よりデザイン性のあるカットに対応が進んでいます。

美容師と理容師、それぞれの仕事内容は?

美容室と理容室の決定的な違いは、そのお店で働くために必要な免許です。美容室で働くためには「美容師免許」、理容室で働くためには「理容師免許」が必要となり、この2つは法律によって明確に分けられています。
美容師法と理容師法により定められている業務範囲は、以下の通りです。

  • 美容:
    美容とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう(美容師法第2条1項)
  • 理容:
    理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう(理容師法第1条2項)

美容師・理容師それぞれの仕事内容について、さらに詳しく見ていきましょう。

美容師の仕事内容

美容師の仕事内容は「容姿を美しくする」。つまり、ただ髪を切るだけでなくカラーやパーマなどを通して、お客様のお悩みや希望に合わせたヘアスタイルを仕上げていくのが仕事と言えるでしょう。法律の条文に「化粧等」と記載されているように、ヘアメイクやまつげエクステなども美容師の業務内容に含まれています。最近はネイルやエステなどのメニューを用意しているサロンもあり、美容に関するさまざまなスキルを磨く必要があります。

一方で、美容師にはできない……というよりも「美容師免許ではやってはいけない」施術も存在します。それが、カミソリを使った「顔そり」です。美容師法では眉毛を含む一部以外のシェービング施術は認められておらず、美容師免許だけを持っている人が顔そりを行うのは違法になってしまいます。実際に、専門学校の授業や、美容師免許の実技試験でも、シェービング技術は含まれていません。

理容師の仕事内容

理容師の仕事内容は「容姿を整える」。つまり、伸びてきた髪や髭をカットし、身だしなみを整えるのが仕事と言えるでしょう。また、理容師免許は「顔そり」も認められているため、カミソリを使ったシェービングを行うことができます。

一方、美容室と比べ、理容室ではカラーやパーマを行う機会はそれほど多くありません。というのも、実は数年前まで「理容室は女性に対してパーマを行ってはいけない」と法律で定められていたからです。平成27年の法改正によって理容室でも女性にパーマを行ってよいことになりましたが、パーマに力を入れている理容室はまだまだ少数派と考えられています。また、ヘアメイクやまつげエクステなどは理容行為として認められておらず、理容師が施術することはできません。

美容師と理容師、目指すならどちらがいい?

法改正によって美容師と理容師の業務内容が緩和されたことで、「どちらの資格をとるべきなの?」と悩んでしまう方も増えたと思います。確かに以前と比べて両者の仕事内容に差はなくなりましたが、それぞれ要求される能力には大きな違いがあります。

たとえば美容師の仕事は「お客様の容姿を美しくすること」なので、カラーやパーマの腕前はもちろん、トレンドのヘアスタイルやファッション、メイクについての理解も求められます。また、現代は「美」の価値観が多様化していることもあり、お客様の理想とするスタイルを叶えるためには幅広い知識が必要です。

一方、理容師の仕事は「お客様の髪を整えること」なので、カットやシェービング施術に高い技術力を求められます。実際に、理容師免許の試験では「髪をどれだけまっすぐに切れるか」判断されるように、集中力や手先の器用さも重要となるでしょう。

美容師と理容師は、どちらも技術力や接客スキル、なによりもお客様の要望に応えるための向上心が求められる職業です。自分の興味・関心や能力を踏まえて、勉強や練習も楽しんで行えるほうを選ぶとよいでしょう。

ダブルライセンスという選択肢も

美容師と理容師、どちらを目指すかどうしても決められないという人は、両方の資格を取得するという選択肢があります。

先程ご説明した法改正により、スタッフ全員が美容師・理容師両方の資格を持つことで、美容室・理容室の兼業が認められるようになりました。「美容室でも顔そりができる」「理容室でも、トレンドのヘアスタイルに強い」など、お互いの強みを合わせれば、より幅広いサービスを提供できるようになるでしょう。

また、これまでは美容師・理容師両方の資格を取得するためにはそれぞれの学校で2年ずつ学ぶ必要がありましたが、現在は短期間でダブルライセンスを取得できるところも増えてきています。すでにどちらか一方の資格を取得している場合は、一部科目を除く筆記試験が免除になり、実技試験に集中できるというメリットもあるのです。

まとめ

美容室と理容室は法律によって明確に分けられていますが、近年の法改正によって業務内容の差は小さくなりつつあります。どちらの資格をとるべきか迷っている方は、仕事の内容ではなく自分の興味・関心や、やりたいことを基準に決めるのがよいでしょう。また、ダブルライセンスを取得すれば、美容業界での活躍の幅がよりいっそう広がるはずですよ。

まずはお気軽にご相談ください。

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