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美容師の道具について解説! 名前から用途・選び方まで

美容師の道具選びのこだわり

みなさんこんにちは。元美容師ライターのヒカルです。この記事では美容師が使っている道具について解説していきます。私の経験を基に、道具の選び方や、こだわりポイントまでご紹介しますので、美容師としてのスキルアップを目指す方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

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シザー(ハサミ)

美容師にとって一番大事な道具といえば、もちろんシザーです。
このシザーにもいろいろな種類や違いがありますので、詳しく解説していきます。

素材の違い

シザーの素材ですが、実にこれだけの種類があります。

  • ステンレス
  • セラミック
  • コバルト
  • ステライト
  • ハイス鋼
  • ダマスカス

この中でも一番オーソドックスなのがステンレス製のシザー。値段もお手頃で扱いやすいので初心者から上級者まで幅広い方が使っています。

それ以外は高価で扱いにも技術が必要なので、初心者には向かない素材かもしれません。物によっては値段がステンレスの何倍もするものもあります。ちなみに美容師が使うシザーは6万~9万円くらいが平均です。

長さの違い

シザーの長さはインチで表現します(1インチ=2.54センチメートル)。

現在では5インチ~7インチあたりで選ぶ人が多い印象です。手の大きさによって選ぶことが多いので、女性など手が小さな方は小さめのシザーを選び、男性など手が大きな方は大きめのシザーを選ぶことが多いです。その他、カット技術によっても変わることがあります。

刈り上げや大まかなカットでは長いハサミを使い、小回りの効く短いシザーで仕上げの調整をするなど用途で使い分けることもあります。

ハンドル(柄)の違い

メガネ型

指を入れる部分の高さが同じで通常のハサミと同じ構造をしています。オーソドックスな形です。

オフセット型

指を入れる部分が段違いになっているものです。

3D型

オフセットの柄に角度をつけることによって、さらに立体的に作られたものです

どれを選ぶかは好みや手首の柔らかさによって変わってきますが、癖をつけずに技術を覚えていくことを考えると一番オーソドックスなメガネ型から始めていく方がよいでしょう。しかし手首が硬い人が無理してメガネ型を使うと負担が大きく、腱鞘炎になってしまうこともあるので、そういう方は無理せずオフセット型にしてもよいと思います。

オフセット型は手の自然な形に合わせて親指を入れるところと、薬指を入れるところが段違いになっていて、手首を返して切りやすい構造になっています。刈り上げなどはこのオフセット型がとてもやりやすいと思います。

3D型はもっと立体的に作られており、使う人の手に合わせてくれる構造をしています。オーダーやセミオーダーする方、ベテランの方やこだわりのある方に向いています。長年やってきた方にとっては手首への負担を減らすこともできるのでおすすめです。

逆に基礎技術を学ぶ段階の初心者には癖がついてしまうので、3D型はあまりおすすめはできません。まずはオーソドックスでシンプルなものから学び始めていき、自分のスタイルを確立する過程で道具も変化させていく方がよいでしょう。

刃の形の違い

直刃

刃が真っ直ぐ付いている一番オーソドックスなタイプです。毛が逃げにくいため、ウェットカットに向いています。美容師がまず初めに買うシザーとして最も多いのではないでしょうか。

笹刃

刃が厚く、ラウンドしている形で毛が逃げるように作られていますので、ドライカットでのスライドカットやストロークカットに向いています。反面、ウェットカットには向きません。

柳刃

直刃と笹刃の中間のようなシザー両方の良いとこ取りをした万能型とも言えますが、直刃や笹刃の専門性にはかないません。

セニング(すきバサミ)

毛量を調節したり、毛先を馴染ませたりするのに使う削ぎ鋏です。簡単に毛量を削ぐことができ、髪を減らせるので重宝されますが、多用すると毛を傷めたり逆にボリュームを出してしまうので注意が必要です。

美容師にシザーは何本必要? それぞれの使い分けは?

シザーの組み合わせと使い分けについて、私が思うオーソドックスなセットは

  1. ウェットカット用
  2. ドライカット用
  3. セニングシザー
  4. (レザー)

です。

それぞれ何本ずつ持っているかは美容師さんによって違いますが、大きく分けて基本はこのセットをどう組み合わせるかだと思います

私が学んだ師匠は右手でも左手でも切る人だったので、トータル20本弱持っていました。ちなみに左手用のシザーは動刃(親指側)と静刃(薬指側)が逆なので兼用はできません。左手専用のシザーが必要になりますし、なかなか売っていないので基本セミオーダーになります。左利きの人は同じシザーを買っても値段が少し高いのはちょっとつらいところですね。

レザー

本レザー

理容師さんが髭を剃るときに使うような形がこれに当たります。切れ味が鋭く、横滑りもするので高度な技術が要求されるレザーです。

替刃レザー

波状の安全刃のため、その間に入り込んだ毛だけを切ることができます。横滑りもなく、安全性が高いので、初心者でも扱いやすいレザーになっています。

ちなみに、ヴィダルサスーンのカット理論が日本に入ってくるまでは、レザーカットが主流でした。その頃は本レザーでカットする職人さんがたくさんいましたが、今ではほとんどの美容師さんが替刃のレザーを使っています。

レザーカットは切れ味が大事なため、切れ味の良い本レザーを使いこなす必要があります。技術がないと髪を傷めてしまうので、今ではレザーカット自体を行う美容師さんも少なくなっています。また、レザーカットでは独特の柔らかい質感が出せますが、感覚的に切っていく面があるので、再現性の観点からシザーでカットする美容師さんが大多数です。

ブラシ

美容師が使うブラシにもたくさんの種類があります。

スケルトンブラシ

ブラシのピンの目が粗く、骨組みのような形状をしているところから、ガイコツブラシ・スケルトンブラシと呼ばれているブラシです。主にベースのドライをするときに使います。根本のクセ付けや大まかなドライに優れています。

ヘアブラシ(デンマンブラシ)

半円形の台座からピンが出ている形状のブラシを「デンマン」または「デンマンブラシ」と呼びます。もともとデンマン社のブラシを指す言葉でしたが、このタイプのブラシを指す一般的な言葉に変化しました。商品名が一般名詞に変化してきているのも面白いところですね。オーソドックスなブローは基本これで作ります。新人さんがブローを学ぶときはこのブラシの使い方からスタートすることが多いです。

ロールブラシ

筒状のブラシの周りに360度ピンが付いているのがロールブラシです。ロール状に髪を巻き付けて使います。ヴィダルサスーンのカットが入ってくるまではこのロールブラシが主流でした。

ボリュームを出しやすいため、セットには欠かせないブラシです。海外では今でもボリュームのあるセットが主流なので、このロールブラシの技術がないとやっていけません。海外で働きたいと思っている方には大事な道具と技術です。

クッションブラシ

セットなどで髪をまとめたり、面をキレイにするために使うブラシです。ベースにクッションが付いているのでクッションブラシと呼ばれます。クッションのおかげで頭皮を傷つけないうえ、柔らかい質感が出やすいのが特徴です。以前はシャンプー前にとかして大まかなホコリなどを取るのにも使われていました。

ブラシの素材

柄の部分は木が主流ですが、最近ではドライヤーの熱を使い、ブラシ自体を熱くし、セットしやすくするという金属素材のものもあります。アイロンとブラシの中間のような感じですね。ブラシの部分には猪の毛、豚の毛、化学繊維などさまざまあります。動物の毛には少量の油が含まれており、とかすと適度な油分を補ってくれる効果があります

パーマの道具

ロッド

さまざまな太さのロッドを組み合わせて髪を巻きます。

今では使用頻度が低いですが、1番細いロッドは楊枝ほどの太さしかありません。パーマの際、美容師同士が暗号のようにいっているのはこのロッドの太さを伝えているんですね。

まとめ

さて、美容師の使う道具を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した道具はほんの一部です。人によっては細かいこだわりがあり、どんどん細分化していますので、すべてをご紹介することはできませんが、大まかな概要はお伝えできたかと思います。

職人の使う道具って細かく観察すると面白いですよね。それぞれの美容師ごとのこだわりポイントを聞いてみると新たな発見があるかもしれませんよ。

まずはお気軽にご相談ください。

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