「美容室を新規開業する予定だけど、経営の際に考慮するポイントを知りたい」
「美容室の経営が失敗してしまう理由と、解決方法を知りたい」
上記のようなお悩みを持つ美容室関係者の方は多くいらっしゃるでしょう。美容室の多くは開業から1年以内に閉店すると言われ、生き残りを考えることはとても重要です。
そこで、今回の記事では、美容室を新規開業する際に失敗しないためのコツと対策をご紹介します。是非、今回の記事を読んで新規開業に際して役立てていただければ幸いです。
美容室の経営が失敗してしまう原因は?
美容室の経営が失敗してしまうケースでは、以下の原因が挙げられます。
- 経営に関するノウハウがなかったから
- 立地の選び方が悪かったから
- メインとするターゲット層を選定できていなかったから
- マーケティング知識がなかったから
- メニューの値段設定が間違っていたから
- 宣伝広告費が残っていなかったから
ここからはそれぞれの項目ごとにみていきましょう。
経営に関するノウハウがなかったから
どのような業種でも、経営ノウハウや赤字の原因の分析は必要なスキルです。特に美容室を経営するにあたっては、集客ノウハウや指導力、経理の知識があるとさらに良いでしょう。
全体の売上、客単価、リピート率、顧客別の売り上げなどの数字を把握することも大切です。また、開業資金の決定については税理士やコンサルタントなどの専門家のアドバイスを受けることで適切な金額を知る必要があります。また、日本政策金融公庫が提供している「創業の手引」などの資料は資金や開業に関する基本がまとめられており、大変有用です。
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立地の選び方が悪かったから
美容室を新規開業する際の立地選びは、集客に大きくかかわる要素であり、その後の経営を大きく左右することになります。
立地が極端に悪い場合は、もちろん集客が見込めません。また、立地が良い場所に出店する場合でも、下記のようなメリットとデメリットを理解して運営する必要があります。
メリット:
- 「人通りが多いので新規の顧客を獲得しやすい」
- 「見晴らしの良い通りだと、看板にこだわったり美容室の存在をアピールしやすい」
デメリット
- 「賃料に加え、敷金や保証金が高い」
- 「家賃相場が高いので見極める必要がある」
コストと集客のバランスを考慮した立地選びが重要です。
メインとするターゲット層を選定できていなかったから
美容室を新規開業するにあたって、どのような顧客をメインターゲットにするかはあらかじめ考えておく必要があります。ターゲットを正確に狙うことができないと、コンセプトが安定しないうえ、集客や宣伝広告もうまくいきません。
ターゲットを絞るには、モデルユーザーの年齢、性別、所得、行動特性などを細かく設定していきます。このように典型的なユーザー像の細かいプロフィールをリアリティをもって設定することは「ペルソナ」あるいは「ペルソナマーケティング」と呼ばれ、効果的です。
少しでもターゲット設定が甘いと、美容室の運営方針がブレることがあるので注意しましょう。
マーケティング知識がなかったから
マーケティングと言っても範囲が広く、難しいというイメージがあるかもしれません。ただ、独学でマーケティングを学んでいくことも十分に可能です。最近ではマーケティングに関する書籍やネット記事が充実しているため、効率よく良く学ぶことが可能です。
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メニューの値段設定が間違っていたから
美容室のメニューの料金設定は、経営から集客まで全てに関係してくるので、とても重要な課題です。近年では美容室の安値競争が続いていますが、初めにメニューを安くしすぎると、経営が困難になってしまいます。
あまりにメニューの値段設定を安くしたり、クーポンを配りすぎてしまうと、顧客単価が下がる要因となり、最終的に美容室が得られる収益が下がります。安値競争に乗りすぎることは避け、自店舗だけの強みやプレミア性を打ち出すことで客単価向上を狙いましょう。
宣伝広告費が残っていなかったから
開業の際に、気を付けなければいけないのが宣伝広告費を残しておくことです。理想の美容室にしようと内装にこだわりすぎるあまり、予算をオーバーしてしまい、結果として宣伝広告費が残っていなかった…というケースはよくあります。
新規開業の場合は宣伝広告を行わないと、そもそも店舗の存在を認知してもらうことができません。そうなると大事なスタートダッシュの時期に全く集客ができず、その後の資金繰りにも影響します。開業資金の設定時に、宣伝広告費の予算はしっかり確保し、開店の1ヶ月程度前から宣伝に取り組んでおきましょう。
美容室の開業は準備が大切
ここまで見てきた失敗の原因を踏まえると、美容室の開業には下記のような準備が必要と言えます。
- どのような人に向けた美容室にするか決める
- 立地の調査を細かく行う
- 宣伝方法を決める
- マーケティング手法を試す
立地や市場などを細かく把握し、より効率的な集客ができるようにイメージターゲットを設定していきます。立地やイメージターゲットの選定が終われば、自ずとメニューや内装のアイデアも浮かびやすくなるため、開業もしやすくなるでしょう。
ここからは、上記の方法を具体的にご紹介していきます。
どのような人に向けた美容室にするか決める
イメージターゲットによってコンセプトやメニュー構成は変わります。
例えば、ターゲットを20代の流行に敏感な女性向けにする場合は下記のようなプランになります。
- 「ヘアカラーのメニューを充実させる」
- 「内装はパステルカラーを基調とし、SNSに映えるようなフォトジェニックなものにする」
イメージターゲットを明確化することで、導入メニューや内装のイメージなどの方向性を決定しやすくなります。そのため、必ずイメージターゲットは細かく選定しておきましょう。先述したペルソナの設定も有効です。
立地の調査を細かく行う
美容室を新規開業するためには、出店に適した環境であるかを調べる必要があります。
そこで、立地の調査を行う際に下記の項目を意識しましょう。
- 人口と年齢層
- 周辺環境
- 大型施設の有無
- 交通量
訪れる顧客の数は、地域の人口や人通りの多さに左右されます。それに伴い、人の流れに影響のある商業施設や公共施設があるかチェックすることもポイントです。
美容室に継続的に通ってくれる顧客の多くは立地を重要視しているので、美容室開業の前に細かく調査を行うことを意識しましょう。
宣伝方法を決める
美容室を新規開業する際の宣伝方法は数多く存在します。そこで、下記のような方法から選んでみると良いでしょう。
- チラシ、DMでの宣伝
- ホットペッパービューティ―などのポータルサイトでの宣伝
- TwitterやInstagramを使ったSNSでの宣伝
- LINE公式アカウントでの情報配信
- ブログでの宣伝
上記の方法はいずれも宣伝しやすく効果の高いものばかりです。自社に合った方法を選び、美容室開業の際の宣伝に活用していきましょう。
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マーケティング手法を試す
マーケティング手法の取り入れ方としては、3C分析がおすすめです。
3C分析とは以下のような項目になります。
- Customer(顧客):メインターゲットの設定、市場規模についての調査
- Competitor(競合):近辺の競合サロンを知る
- Company(自社):上記二つの情報を集めて分析した後、自分の美容室のセールスポイントを客観的に見ていく
3C分析を行うことで美容室開業の際のヒントを得ることが可能です。これまでやってきたことと重なる部分もあり、比較的実行しやすいので、意識して分析をしてみましょう。
まとめ
最後に簡単に今回の記事の内容をまとめます。
- 立地や市場の調査をし、そこから人の流れを掴む。
- メインターゲットの選定をし、メニューなどの方向性を決めていく。
- 値段設定は安くしすぎない。
- 宣伝方法は自社の美容室に合ったものにする。
美容室を新規開業するには、様々な知識や経営ノウハウが必要になります。さらに、立地や周辺施設による人の流れや、メインターゲットを見極めることも重要です。今回の記事を読んで開業の際の参考にしてください。